全く買う気はなかったのだが、1月5日発売、Googleの純正Androidスマートフォン、Nexus Oneを買ってしまった。
発売当日に注文し、昨日届いた。
現在、Nexus Oneは、アメリカ、イギリス、シンガポール、香港在住者のみしか購入できない。
そのため、アメリカの郵便物転送サービスを経由して購入したため、昨日到着となった。
まだ数時間しか使用していないが、取り敢えずのファーストインプレッションをまとめてみたい。
ざっとまとめたので、細かい仕様などは他のサイトを参考にして欲しい。
iPhoneユーザとして、一番気になる視点は、Nexus OneがiPhoneの代替品になり得るのか、という点だと思う。
その視点で、気がついたところを取り急ぎチェックしてみた。
▼iPhone 3GSとNexus Oneを並べてみる。大きさは同程度に見える。
画面の大きさがNexus Oneの方が若干大きいのがわかる。
実際に現物の画面を見ると、かなり大きく感じる。解像度も高い上、有機ELを使用しているので、iPhoneと比べると、表示される画像はかなり鮮明に見える。
▼今度は横から見る。写真ではNexus Oneが厚く見えるが、薄さも同程度。
ホールドしたときの、頼りない感じも一緒だw ケースに入れてないと、つるりと落下させそうで怖い。
実際に、大きさがどのぐらい近いのか、iPhone用のシリコンケース、iSkin SoloにNexus Oneを入れてみた。
▼コレ。無理なくすっぽりと収まった。しかしこれでは写真は撮れないので、実用的ではないw
このNexus One、SIMロックフリーで販売されている。仕様上は、Softbank、Docomoのどちらの3G回線でも利用できるはずだ。
今回、ソフトバンクの銀SIM、iPhone用の黒SIMでテストをしてみた。
まず、APNの設定をする必要があるのだが、この設定が若干わかりにくい。設定>モバイルネットワーク設定>アクセスポイント名 の順に選択して行くと、初期設定では、真っ暗な画面になる。ここで本体下部の固定タッチキーの、左から2番目のキーを押すと、APN設定の入力画面になる。
Nexus Oneの画面下部にある固定タッチキーは、このように色々な局面で押すことにより、その状況にあったサブメニューや、設定などを表示してくれる。設定などでよくわからなくなった時は、メニューキーを押して見るとよい。
黒・銀SIMの両方とも、APN、ユーザ名、パスワードを設定することにより、パケット通信が可能だった。iPhoneと違って、本体でAPNが設定できる上、複数の設定を切り替えて使えるので、SIMを定期的に入れ替える必要があるユーザ (私とかだw) にとっては、使い勝手がよい。
黒SIMではSMSも受信できた。MMSについてはAPN設定などメンドクサイようで、実際にできるのかも、現状よくわからないのであきらめた。
画面下部の固定タッチキーだが、デフォルトの設定で、バイブレーションによるフィードバックがある。これが非常に心地いい。
Nexus Oneには、物理キーボードを持っておらず、iPhone同様のスクリーンキーボードと、画面下部のトラックボール、固定タッチキーの3種類の入力装置を利用することになる。
▼Nexus Oneのメインメニュー。
ロケールで日本語を選ぶと、当然のように画面上部のウィジェットは日本のニュース、天気が表示された。
まだ日本市場に進出していないにも関わらず、細かい作り込みに感心した。
他でもたくさん書かれているが、壁紙はアニメーションのものを選ぶことができる。
デスクトップ上で壁紙も使えないiPhoneとは、見栄えが大きく異なる。
iPhoneでは壁紙の利用方法含め、様々な制約がある。
一方Androidでは、ウィジェットやアイコンの並べ替えなど、iPhoneに比べると自由度が非常に高い。Jailbreakerとしては、
これはJailbreakされたiPhoneだ。
と感じた。
有機ELの室内で表示は大変美しい。壁紙のアニメーションや、YouTubeの動画などでは、iPhoneのLCD表示能力では太刀打ち出来ないほどの表現力があると思う。
しかし、太陽光下に出ると、かなりひどいことになる。ほとんど見えない。有機ELの弱点らしいが、これはNexus Oneの非常に大きな弱点になると思う。
アプリなどについては後日書きたいと思うが、残念なことに搭載されているFlashはLite版。最近ネットで話題になっているFlash 10.1は今年前半リリースらしく、現状のNexus Oneでは通常のFlashコンテンツは再生できない。楽しみにしていたニコ動もだめだったし、標準でサポートしているYouTube動画も、iPhoneと同様、力技でトランスコードしたものを、専用プレーヤやブラウザで表示しているようだ。多分、iPhoneと同じコンテンツを使用しているのではないかと。
全く私見だが、Flash 10.1は、Nexus Oneと同時リリースが期待されていたのではないだろうか。時期も近いし、マーケティング的に考えて、同時リリースできれば両者に莫大なメリットがあったはずだ。何らかの問題でFlashのリリースが遅れ、Nexus Oneローンチの、一番の目玉が失われたのではないかと思う。
▼Androidのブラウザは、iPhoneと同じwebkitというレンダリングエンジンを使用している。
結果として、Nexusでのweb表示の雰囲気は、iPhoneのものと非常に似ている。
iPhoneとの表示比較のため、上記画像は同じ320×480に揃えた。
▼こちらが3GSでの同じ画面の表示。
解像度が 480×800 (Nexus One)と、320×480 (iPhone)と異なるため、Nexus Oneの方がかなり情報量が多い。
▼通常のweb表示だと、高解像度のため、ここまでの情報量がある。
ブラウザで残念なことは、やっぱりマルチタッチ・ピンチイン/アウトのサポートがないこと。iPhoneユーザとしては習慣でくぱぁとやってしまい寂しくなるw
Nexus Oneでは、画面の拡大は画面のタップと、+/-ボタンを利用して行うことになるが、操作性にさほど不満はなかった。くぱぁの存在はそのうち忘れるw
▼スクリーンキーボード。
実は、設定を変更すると、このスクリーンキーボードでも、バイブによるフィードバックをつけることができる。
キーボードからの入力は、iPhoneユーザなら、あまり違和感なく利用できると思う。
マルチタッチ・キーボードでないため、他の指が触って干渉し、片手入力時の反応が悪い、という話があるが、自分の場合さほど気にはならなかった。
が、iPhoneと比べると、一度でタッチ入力を感知してくれない場合が多くあるので、若干とまどった。
Nexus Oneは日本語の表示に対応している。ただし、日本語の入力には標準で対応していないため、Android Marketからダウンロード、インストールする必要がある。SimejiというIMEを無料ダウンロードして利用したのが、上記のスクリーンショット。
入力方法は、このフルキーボードのほか、フリック、ポケベル、ケータイ、が選択できる。Simejiは、英語・日本語入力のそれぞれに、これら4種類が別々に割り当てられるので、特に理由がない限りは、同一種類を割り当てるようにする。
▼Twitterクライアントも色々あるようだ。これはKelly氏に教えてもらった、Twigee。無料。
フォントを最小に設定すると、Nexusの高解像度の画面に、iPhoneとくらべて、かなり多くの情報量が表示できることがわかる。
当然プッシュ対応で、mentionやDM、TLでアラート、サウンドなどの設定ができる。おそらく、他のメッセージング系のアプリも、普通にプッシュ対応しているものと思われる。
ところでNexus One、iPhoneと比べて決定的に不便な点が一つある。スクリーンキャプチャが手軽に撮れないのだ。iPhoneなら、ホームボタンと電源ボタン同時押して、簡単に画面ショットが作成できる。一方、Nexus One、おそらく他のAndroid携帯も、Android SDK経由で、母艦側からしか、画面キャプチャを取ることができない。ものすごく不便だ。というわけで、取り急ぎの今回のまとめには、画像があまり登場しない、といいわけしておくw
SDK経由での画面キャプチャ撮りたい方、下記サイトをご参照。
How to take screenshots on the Google Nexus One (knowyourcell.com)
Nexus Oneのカメラは、3GSと同様のオートフォーカスだが、タッチフォーカスはついていないようだ。もちろん、動画も撮影できる。
また、小型だがLEDフラッシュを搭載しており、iPhoneではうまく撮れないような暗がりでも、撮影することが可能だ。
▼Nexus One、室内・蛍光灯下で撮影した花。
申し訳ないが、未縮小のものは後日アップ予定。
▼LEDフラッシュは、光量は結構大きいが、あまり暗いとオートフォーカスが合わないことが多かった。
画素数が多いこともあるが、3GSで撮影した場合より、かなり画質がよいようだ。
カメラ撮影の際には、シャッター音が鳴るが、ミュートすると消えてしまう。
携帯のカメラにシャッター音がつくのは、日本だけのキャリア自主規制だと思うが、あまり意味がないのでやめればいいと思う。
携帯よりももっと小型のカメラにはシャッター音はでないし、悪いことするやつは何やってもやるんだし。
無実の一般人に負担を負わせるのはやめてくれ。
▼撮影した写真は、USB接続でマウントして取り出すことができる。
他に、Bluetoothでの転送、Facebook、Picasa、インストールされている各種Twitterクライアント、Gmail/SMSでの送信など、多彩な方法で送信することができる。現状のiPhone 3.1.2と比べると、レベルが違う感じだ。
また、Nexus OneはiPhone同様に3Gに加え、Wireless LANを搭載しているが、こちらは802.11n対応になっている。
実際にベンチマークサイトで計測を行ってみた。
BNRスピードテスト、画像読み込み版での結果:
Nexus One:Wifi 11.55Mbps、3G (黒SIM) 1.31Mbps
iPhone 3GS:WiFi 4.71Mbps、3G (銀SIM) 1.11Mbps
Snapdragonでのwebレンダリングが速いせいなのか、Nexus Oneでのブラウズの体感速度は、ベンチの数値以上に速く感じる。
とりあえず、到着第一日のインプレは以上。若干ヤッツケ気味なのはご容赦。
これ以上エントリ買いてると、Nexusいじる時間がなくなるしw
【一日目まとめ】
iPhoneユーザとして見るに、Android/ Nexus Oneは、将来十分に乗り換えられる可能性があると感じた。
正直、今回Nexus Oneを触ってみるまで、Androidについて若干舐めて掛かっていた部分があったことを認める。
Android OSは、スマートフォンOSとして、明らかにiPhoneの強力なライバルになる素養を持っている。数時間使っただけで、iPhone OS 3.1.2/3GSよりも優れた点が色々とみつかった。
いちJailbreakerとしてNexus Oneを見るに、このスマートフォンにはJailbreakは必要ない、と感じた。個人的にJailbreakしている一番の理由はアンロックなので、もとからロックがかかっていないNexus Oneは簡単にクリア。さらに、壁紙の設定や、ウィジェット、簡単にアクセスできる各種設定など、iPhoneではJailbreakしないと得られない環境が標準で手に入る。
Nexus Oneは、次世代iPhone/iPhone OSの仕様決定に、大きな影響を与えると考えられる。ぜひAppleには刺激を受けて、すばらしいiPhone OS・iPhone 4Gのリリースをして欲しい。んで、Jailbreakが必要ないほど、制限を削減して欲しい。Jailbreakを締め付けるのはいいが(よくないけど)、機能性の低いOSのまま、自由度を制約し続ければ、デベロッパだって逃げて行く。iPhone OS 4.0ではJailbreakが必要ない機能性を実現して欲しい。
さて、これから1週間、試しにNexus OneをiPhoneの代わりにメイン機として使ってみる。
終わったら、より詳細なまとめを書く予定。
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