【太陽光発電】バルコニー・ソーラー発電はじめてみた 【ベランダ】

 

【2013年4月追記】
当発電所のその後のアップグレードについて追記。(クリックでジャンプ)

我が家のバルコニー、日当たりが異常によい (というか夏は暑すぎて死ねる)ため、以前から太陽光発電をしたらいいのではないかと思っていました。しかし、投資効果を考えると今ひとつ乗り気になれず幾年月。今回、原発事故による電力供給不安もあり、非常用電力としても使えるのではと、一念発起してそこそこの規模のシステムを組んだので、備忘録を兼ねてご紹介します。

大きい電気関係と太陽光発電はド素人なので、生暖かい目で見てやってください。

オフ・グリッド太陽光発電

電力会社が提供する、商用の電力網をgrid (グリッド)と呼びます。住宅の屋根に太陽電池パネルを沢山設置して、商用電力網に接続するソーラー発電システムをon-grid (オン・グリッド=系統連携型) と呼びます。オン・グリッドのソーラーシステムは、電気工事資格者でないと設置ができません。オン・グリッドのシステムで発電した電力は、電力会社によって買い取られる仕組みになっていますが、大規模停電時などには、接続を変更して非常用電力として利用できます。しかし、夜間や雨天など発電ができない状況では利用できません。また、マンションのベランダや、ルーフバルコニーなどへは規模的にも、理事会などの許可的な面でも設置がほぼ無理な状況です。

一方、商用の電力網に接続しないソーラー発電システムを、off-grid (オフ・グリッド=独立型) と呼びます。今回組んでみたのは、このオフ・グリッドのソーラーシステムです。

オフグリッド・ソーラーの特徴は、発電した電力を一旦充電用バッテリに蓄電し、そこから電力を得るところです。バッテリには100Vに変換するインバーターを接続し、通常の家電製品を利用することもできます。したがって、日中はもちろん、夜間など、いつでも太陽光発電した電力を利用することができます。大規模停電など、商用電力網が利用できない状況でも、日中夜間に関わらず、バッテリに蓄電されていれば非常用電力として活用できます。規模が小さいものであれば、電気工事士の資格も必要ありません。

実際に設置してみようと思い、よい書籍がないかと調べてみましたが、オン・グリッド太陽光発電の本は色々あっても、オフ・グリッド・DIYに特化した本はほとんどありません。グーグル先生に聞きながら、個人ブログや業者のサイトからこつこつと情報を集めるのに、一番時間がかかりました。まだまだニッチな趣味なんだなと感じました。

オフ・グリッド太陽光発電の主要パーツ

太陽電池パネル

▼  一般的な太陽電池パネル (画像出典: SHARP USA)

国内外の太陽電池パネルは市場に多数出回っており、Amazon楽天はじめ、ネットでの入手経路には事欠きません。

一般的なパネルは、太陽電池板表面がガラスで覆われ、周囲にアルミのフレームが取り付けられており、大きさ、重さとも結構あります。例えばシャープの84Wパネル、NT-84L5Hだと、寸法は1200×530×35(mm)、重量は9キロもあります。

我が家のバルコニーは日照は良いのですが、強風が結構な頻度で吹き荒れるので、通常の太陽電池パネルを設置したら、風で飛ばされて大事故になる恐れがあります。事故にならずとも、パネルが破損する可能性はかなり高いです。そこで、フレキシブルな素材を利用したタイプの太陽電池パネルを色々探したところ、いいのがありました。

▼  米国Uni-Solar社のラミネートタイプの太陽電池

厚さは3.9㍉、クルクルと丸めることができるほど柔軟性があります。靴やサンダルで上に載っても大丈夫。

この製品、通常の太陽電池パネルよりも変換効率がよくないため、出力に比べてサイズは大きめです。68Wの製品で、2849×394×3.9(mm)、重量3.9キロ。でも特徴として、曇天時や、パネルの一部に影が落ちたとき、気温が高いときなど、通常のパネルに比べて出力低下が少ないらしいです。

通常の太陽電池は、セルがシリアルに接続されており、一部だけに影が落ちた場合でも、極端に出力が劣化するらしいです。ソーラレイの発射準備中の『825発電システムのムサイ、下がれ。影を落とすと出力が下がる』という台詞が、いかにリアルなものだったかと、無駄な感心をしました。

Uni-Solarのパネル、国内で購入すると、68W品で4-5万とかなりお高いし、扱い店も多くない。というわけで並行輸入しました。68W品一枚あたり$199.95を2枚購入、送料入れても国内価格の半分以下で入手できました。※追記: 68W品は生産終了となり、現在は128WのPVL-128と136WのPVL-136のみ販売されているようです。

▼並行輸入したUni-Solarのパネル、こんな状態で丸めて梱包されてきました。

チャージコントローラ

▼  Morning Star社のチャージコントローラ、Sunsaver Duo

チャージコントローラは、太陽電池からの電力を効率よくバッテリーへの充電を行うための機器です。チャージコントローラは、バッテリーの電圧レベル、周囲温度などにより、電流・電圧レベルを最適化してバッテリを充電します。ローエンドからハイエンドまで、各種販売されているため、入手には苦労しません。MorningStar社のSunsaver Duoが気に入ったので、これを購入しました。

このコントローラにしたのは、リモートパネル付きで室内で発電量などの数値が見られるところです。が、あとで間違いに気づく事になります。”Duo”って名前はメーターとセットだから、と思い込んでいましたが、このコントローラ、クルマやクルーザーのメインバッテリともう一個、合計2個接続(Duo)用のモノでした。 運用上特に問題はないのですが、買う前に仕様はよく読みましょうってことですねw

チャージコントローラには、比較的安価なPWM方式と、よりインテリジェントに、高効率に充電を行うことができるMPPT方式があります。現在使用しているSunsaver DuoはPWM方式ですが、MPPT方式も試してみたくなり、後日アップグレードを予定しています。

ディープサイクル・バッテリ

G&Yuのディープサイクルバッテリ、SMF27MS-730

オフグリッド・システムに欠かせないのが充電用バッテリです。ディープサイクル・バッテリというものがよく使われているようです。通常のクルマ用12Vバッテリでも良いらしいし、そっちの方がかなり安いです。ただ、クルマ用のバッテリは、一回放電しきってしまうとかなり劣化が加速します。 ディープサイクルバッテリは、最後まで使い切ってしまう利用形態を前提に設計されていますので、オフグリッド太陽光発電にはもってこいです。

うちのシステムでは、G&Yuのディープサイクルバッテリ、SMF27MS-730を14000円ぐらいで購入しました。105A、20時間率で重量22㌔というヘビー級。このバッテリはメンテナンスフリーの完全シールド型で、クルマ用バッテリの様なバッテリー液の補充は必要ありません。同容量のリチウムイオン電池ならきっとこれの何分の1かの大きさ・重量でしょうが、そんなものはきっと高くて買えないでしょうね。

インバータ

▼MorningStar社のインバータ、RC-1

太陽光パネルの出力は直流のため、100Vの家電製品を利用するためには、インバータが必要になります。クルマ用などのインバーターは各種売っていますが、安いモノはたいがい矩形波品で、一部の家電製品をつなぐとぶっ壊れたりすることがあるらしいです。矩形派のものと比べると若干値が張りますが、正弦波インバーターも各種販売されています

インバータは室外に置きたかったので、屋外仕様のMorningStar社のSuresine 300を並行輸入しました。出力は正弦波で、300W以内の家電製品はなんでも使えるはずですが、アメリカ製品のため、出力は110V/60Hz。50Hzのみ対応の電化製品は使えません。今どきそんなものがあるのか疑問ですが。ドライヤーとかかな?

その他の構成パーツ

あとはケーブル類、ヒューズ類、など小物。直流12V系のパーツは、オートバックスとかイエローハットで探すとお安いし品揃え豊富です。ケーブル仕事が大変多いので、圧着工具やケーブルストリッパーを準備しておくと幸せになれるかも。エアコンダクトを利用して配線する場合は、ダクト用のパテのほか、エアコンの配管を巻くテープなどがあると便利。こちらはホームセンターで。

システム構成

▼  うちのソーラーシステムの構成図。68WのUni-Solarパネルを2枚並列にチャージコントローラに接続、最大136Wの発電力。
ACにブレーカを使っているのは、設置後の使い勝手のためで、これもヒューズでかまいません。

 

屋外機器編

▼システム全景。手前にUni-Solar 68Wが一枚、写真奥の方にもう一枚設置してあります。出窓下にある箱*にバッテリー、チャージコントローラ、インバータが押し込んであります。
*アイリスオーヤマの密閉RV BOX 40

 

 

Uni-solar PVLはラミネートタイプの太陽電池ですが、裏面側は粘着素材がびっしり塗られています。一度貼り付けると剥がして位置を変えたりするのが、かなりしんどそうなので、バルコニーに敷いてある塩ビ素材のタイルに、カーペットテープでUni-Solarの両側を仮止めしたまま運用しています。写真右側の青いケーブルみたいなのは、植木用の水やりホース。

太陽電池の設置を検討してみて初めて、バルコニーでは、日照のよい場所でも時間帯によってはフェンスの影が結構落ちるという問題を発見。裏板をつけてフェンスの外に出すとか、裏地をつけてフェンス外側に吊すとかも考えましたが、しばらく試験運用してみてから考えることにしました。68Wパネル2枚、合計ピーク136Wのパネルで、8月の晴天時で一日の累計で35Ah (≒420Wh)ぐらいが今のところの最大値。普通のパネルを自分で使ったことがないので、定かかではないですが、Uni-Solar確かに影が落ちた場合のロスが少ない感じがします。

▼ Uni-solarのパネルには、標準タイプのPVコネクタケーブルが付いています。写真下にあるのは、複数パネルを並列接続するためのカプラー。

Uni-Solarのパネル、PVケーブル・コネクタはすべて防水・屋外仕様なので、雨ざらしで問題ありません。一般的なソーラーパネルでは、標準PVでなく、ロックタイプのPVコネクタというのが使われているようです。よって、標準PVコネクタケーブルは、国内での入手が難しそうです。輸入する際に利用したsimpleray.comでは、ケーブルやカプラー、パッチケーブル、ロックタイプとの変換コネクタなどが販売されています。

当たり前ですが太陽光パネルは日が照っていると相当の電力を発電します。したがって日中に作業をする場合は感電やショートに気をつける必要があります。また、負荷がかかった状態でコネクタの抜き差しを行うと、アーク(いわゆる火花)が飛び、かなり危険っぽいです。直流は交流よりもアークが発生しやすいので、ブレーカーにも高価な直流専用のモノが必要だそうな。(交流用のブレーカーでは、遮断しようとしても、アークが飛んで遮断できないことがあるらしいです)。この理由から、うちのシステムには直流はブレーカーでなくヒューズを使うことにしました。

▼  室外機器を押し込んであるハコの中身。そのうちキレイにしたいと思っているが、現状放り込んだ、といった状態w

 

▼  結線されたチャージコントローラ、Sunsaver Duo。コントローラには温度センサーが接続されていて、リモートメーターに表示することができます。リモートメーターへの結線は、RJ11(電話ジャックのコネクタ)ですが、自作する場合は4芯必要で、かつクロスさせる必要があります。

▼  結線されたSuresine 300インバータ。リモートオン・オフ、バッテリとの接続、DC12V出力とアース。

インバータは接続されたAC機器によって、立ち上がり時に大電流がかかることがあります。よってチャージコントローラのLOADではなく、バッテリに直結すべしが原則らしいです。コントローラにインバータを直結すると、大電流がコントローラを壊す可能性があるそうです。  DC機器への出力には30A、インバータへの出力には100Aのヒューズ経由で配線してあります。

室外機器→室内への配線は、住宅配線用のVVFケーブルを使っています。本来は屋外で使ってはだめらしいですが、屋外ケーブルを何をつかえばよいかわからんのでとりあえず。(でも、きっとずっとこのままw) 軒下を通してるので、雨もあまりかからんからいいかなと信じてます。

▼  屋内へは、エアコンダクト経由で各種配線を通しました。

室内に配線されているのは、DC12V、インバータの110V、リモートメーター信号線、インバーターのリモートオンオフ線、インバータのアース線。目につくところにケーブルがぐちゃぐちゃしているのは好きでないので、エアコンの配管と一緒にまとめてみました。パテや配管をまとめるテープなどは、DIYのお店に沢山売ってました。

室内機器編

▼  エアコンダクトを通過した各種配線は、リモートメーターを除き、分電盤へ。

まさか自分で分電盤を作るとは夢にも思わなかったので、適当なケースをどうやって入手すればいいかわかりませんでした。ツイッターで質問したら、秋葉原の俺コンアキバというお店を教えて貰いました。俺コンアキバ、電気配線関係すごい充実してて、分電盤用のケースの他に圧着工具だの端子板だの色々買い込みました。※その後、残念ながら俺コンアキバは閉店してしまいました。

▼  完成した分電盤内部。交流3Aのブレーカーと、インバータの電源、DC出力のオンオフができます。

▼  上がSunsaver Duoの状態を表示できる、リモートメータ。室内温度、チャージコントローラの温度、現在の発電電力(A)、最大発電電力(A)、累計発電量(Ah)、バッテリの電圧などが表示できます。
下の計器は、中国製の格安ワットチェッカー。インバーターのAC110V出力は、ワットチェッカーを経由してコンセントへ。

DC12V出力は、USB出力付きのシガーライターコネクタに接続してあります。でも、110Vと12V、両方の出力をつけてはみたものの、使い勝手の面で今のところ100V製品ばかり使っています。インバータ経由で電気を使うと20%ぐらいムダに電力を消費してしまうので、DC機器をメインに使いたいところです。ぼちぼち使用機器のDC化も考えたいと思います。

【参考にさせていただいたサイト】

【追記 2013年4月】

その後、当零細発電所も微妙に増強をしたのでご紹介。

▼2013年4月現在の当発電所全体構成図。
solar2013_woggieeee

[パネルを2倍に増強]
既設のUnisolar PVL-68を合計4枚に。2枚ずつ33Vで直列接続し合計 272Wの構成になりました。 真夏日なら日照ピーク時実効230Whぐらいの発電量。

▼ベランダ南西と南東に2枚ずつPVL-68を設置、直列33Vをチャージコントローラに接続しています。
20130428-154517.jpg20130428-154500.jpg

[バッテリも2倍に増強]
パネルを増設したため、一個のバッテリでは発電力がムダになるため、バッテリも増設。

▼相変わらず適当な設置のバッテリBOX。2台のディープサイクルバッテリ、チャージコントローラとインバータがムリヤリ収まっています。
20130428-154530.jpg

[チャージコントローラをMPPT対応品に]
Morningstar Sunsaver MPPTを購入。最初に導入したPWM方式のSunsaver Duoと比べると、よりインテリジェントに、高効率に充電を行うことができる触れ込みのMPPT方式のチャージコントローラ。実際に発電効率が上がったかどうかは正直よくわかりません。

Sunsaver MPPT。パネルから33Vで供給、バッテリに12Vを給電しています。
右端の青い部品はサーミスタで、バッテリBOX内の温度を計測するためのもの。Sunsaver MPPTには、自身のヒートシンクと環境温度を計るサーミスタが内蔵されているのですが、環境温度の方は自身の発熱を拾ってしまい、かなり高温に表示されてしまいました。バッテリの充電コントロール的に環境温度が不正確なのは問題なので、25℃抵抗10KΩのサーミスタを外付け端子につけてみました。結果、環境温度に近い数値が出るようになった。

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[発電量表示用にタブレットPCを設置]

リモートメーターに代えて、Windowsタブレットを計器版代わりにしてみました。Morningstar PC Meterbus Adapterをチャージコントローラに接続、シリアルUSBアダプタを経由してWindows 7タブレットへ。

▼タブレットPC、普段は画面をスタンバイにし、必要なときはタッチすれば発電状況を表示。
タブレットの電気は、もちろん自家発電。画面オフ時で5W、稼働時で10Wほどの電力消費。タブレットの右にある黒いドングルがPC Meterbus Adapter。5芯RJ-11ケーブルで、Sunsaver MPPTに接続されています。
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▼Solar-GuppyのSC-Viewというフリーウェアで発電状況の表示を行っています。
woggie_solarstat-190W

このアプリが非常に高機能で、一連の発電状況を表示できるだけでなく、表示画面をftpで指定のサイトに定期的にアップロードすることができます。これにより、外出先などから我が家の発電状況のチェックができるようになりました。このSC-Viewのftp機能、一つだけ問題があって、動作中にSC-Viewの上にウィンドウがある場合、その画面をアップロードしてしまいます。このため、発電状況を外部に公開する場合はセキュリティ的に若干注意が必要です。

【累積発電量記録】

【2013年5月18日】
当発電所が100kW/hの累積発電を達成!って東京電力の利用料金にして2000円分ぐらいだな。レートが高い売電計算ですらたった4200円分。
woggie_solarstat
【2014年2月15日】
大雪の前日、200kW/hの累積発電を達成していました。
20140502-215248.jpg
【2014年9月28日】
累積300kW/h達成。
 300KW_woggie_solarstat

【2015年7月29日】
G&Yuのバッテリーがヘタってきたので、ACDelco M24MF x 2を購入、交換しました。
交換時点で、387KWhを達成していた。

メモ: なんかの拍子に累積kWhカウンタがリセットされてしまいました。2015/8/6現在で390kWh。

【2015年8月31日】

累積0.4MW/h達成。

【2016年7月16日】
累計0.5MW/h達成。
woggie_solarstat_500kw 

【2017年7月4日】
累計0.6MW/h達成。