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Casio QV-10は今から約22年前、1995年3月に発売されたデジタルスチルカメラ。普及価格帯で発売された初めてのデジタルスチルカメラであり、スチルカメラのデジタル化に先鞭をつけた歴史的商品である。2012年9月、国立科学博物館が認定する未来技術遺産として認定された。
▼QV-10 主な仕様
メーカー | カシオ計算機 |
製品名 | LCDデジタルカメラ |
型番 | QV-10 |
発売年月 | 1995年3月10日 |
発売時価格 | 65,000円 |
撮影素子 | 1/5インチCCDイメージセンサ |
画素数・解像度 | 25万画素 320 × 240ドット |
液晶モニタ | 1.8型 TFT LCD |
内蔵メモリ | 2MBフラッシュメモリ |
撮影可能枚数 | 96枚 |
電源 | 単三 × 4本 |
寸法・重量 | 3 x 5 x 1.25インチ・12オンス (バッテリ込) |
寸法・重量 | 130mm×66mm×40mm 190g |
その他 |
▼撮影したものをその場で見られるディスプレイ搭載など、デジカメとしての基本機能を標準で搭載していた。
▼しかも、カメラ部は180度回転して、自撮りまでできた。
▼電池は単三電池×4で動作。電池の持ちはかなり悪かったらしい。
で、このQV-10はちょっと前に入手したもの。QV-10は撮影したデータを取り出すには、専用の接続ケーブルが必要。だがこいつがけっこう入手難。今回ラッキーにも低価格で入手できた。せっかくなので、デジカメの祖先で色々撮影してみることにした。
その前に、まずはPCへの接続を確立する必要があるが、これがまた結構難儀だった。
▼QV-10 パソコン接続ケーブル。PCへの接続はシリアル9ピン。
▼QV-10のDIGITAL端子にミニプラグで接続する。
PC側の接続はシリアル9ピンなので、よくあるシリアル→ USB変換アダプタ経由でPCに接続して使用することとする。
▼変換アダプタ経由でQV-10をPCのUSBポートへ接続。
接続ソフトのQV-Linkをインストールして、と思ったがこいつが何をやってもWindows 10で動かない。元々Windows 95用だからなあ。XPあたりなら動くだろうと思ったが、使えるマシンがない。
仕方がないのでVirtual BoxにWindows XPをインストールすることにした。
▼Virtual Box上のWindows XPならQV-Linkがインストールできた。
▼動いたはいいんだが、QV-Link 1個ずつしかファイル転送できず、大変不便。
さらに、QV-Linkで転送したファイルは”CAM”ファイルという特殊フォーマットになっており、他のソフトからは利用できない。なんでや。
▼CAMファイルをサポートした画像変換ツール、ViXというのがあったので一気に変換。
そんな苦労をしてQV-10から取り出した、撮影画像がこちら:
▼色鉛筆をQV-10で撮影したもの。
これサムネイルでも縮小でもなく、QV-Linkが出力したサイズ 実寸(480 × 360)。
これサムネイルでも縮小でもなく、QV-Linkが出力したサイズ 実寸(480 × 360)。
▼同じものをiPhone 6(800万画素)で撮影、同解像度に縮小したもの。
いやー、よくまあ当時この画質のデジカメ使ってたなあ。スチルカメラで撮るチャンスを捨ててこの画質で撮っちゃってたんだから勿体無いというか。でもまあその場で見られる面白さにみんな引き付けられて、画質には目をつぶってたんだろうなあ。
当時私はQV-10ではなく、もう少し解像度の高いRicohのDC-2Lを使っていたが、当時の撮った写真を見るにQV-10と似たようなもの。
しかも、QV-10当時のお値段65,000円!いまやスマホに1000万画素クラスがオマケで入ってるんだからすごい時代だ。
▼花壇の花。比較画像はGoogle Pixel (1230万画素)で撮影。
▼造花。以降比較画像は全てPixelで撮影、縮小。
▼文房具の店内ディスプレイ。
▼屋外で撮影
【まとめ】
- QV-10は22年も前にデジカメの基本機能を確立、時代をリードした
- 画質は今見ると、よくこれで製品化したなと思うレベル。逆にQV-10の画質以外の部分が、どれだけ人気を引き付けたかと言える。
- 未来をありがとう、Casio QV-10。
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