▲伝統的な電力量計。(画像出典: Wikipedia)
先日、自宅の電力量計がスマートメーターになった。
▼こちらが今回交換になった我が家のスマートメーター。
大崎電気工業株式会社製。
あまりニュースにもなっていない気がするが、既存の電力量計のスマートメーターへの交換は、各電力会社で今後急ピッチで行われて行くはずだ。
このスマートメーター、電力会社など上流から電力消費データを読み取るAルートと、利用者側が電力消費データを読み取るBルートという機能を搭載している。Aルートの機能は、電力会社が利用電力を遠隔から確認し、請求を行うために利用される。ビルの隙間を苦労して検針するアナログな光景が見られなくなる日も近いだろう。また、電力自由化に伴い、新しい電力会社に変更する場合は、スマートメーターへの交換が必須となる。
一方、利用者側が電力消費データを利用することができるBルートだが、こちらは電力会社に申請して初めて利用できるようになる。逆に、Bルートの利用申請を行うと、優先してスマートメーターへの交換が行われる。
順番が待ちきれず、すぐにでも電力量計をスマートメーター化したい方は、電力会社を変えるか、Bルートサービスの利用申し込みをするのが手っ取り早いかと。
うちの電力量計はスマートメーターになったのだが、家庭内でそれを活用する方法については何一つ説明はなかった。もともとHEMS機器だのWi-SUNの利用などは電力会社が推進したものだろうに、今後どうするんだろ。
Bルートサービスは、TEPCOの場合下記のページ一番下のでかいボタンから申し込める。
電力メーター情報発信サービス(Bルートサービス)
申し込んで1週間ぐらいで、パスワードと認証IDが届く。
▼IDの通知書の入った封筒。なぜか会社名ゴム印。。
このBルートサービス、正式名称は『電力メーター情報発信サービス』らしい。
▼電力メーター情報発信サービス認証IDのお知らせ
▼IDの0と1の部分に半角でフリガナがビッシリ振ってあり、軽い狂気を感じた。
▼一方、パスワードはメールで送られてくる。逆だろ常識的に考えて
何はともあれ、IDとパスワードがそろえば、晴れてスマートメーターから我が家の電力消費データを読み取ることができるわけだ。スマートメーターの遠隔読み取りには、Wi-SUNという無線規格が利用される。Wi-SUN(Wireless Smart Utility Network) の名前を知っている方は多くないと思うが、極省電力の無線規格で電池一個で10年持つと言われている。ガスや電気の検針での利用を目的としたもので、日本独自規格だ。
で、Wi-SUNを経由して、PCなりタブレットでスマートメーターから電力消費状況を読み取りたいのだが、情報が発散しすぎていて、さっぱりわからない。家庭内の電力管理のイニシアチブだか利権だかでHEMS (Home Energy Management System)というものがあり、スマートメーターのWi-SUN読み取りに対応したHEMS機器がある、というところまで分かった。で
で、各社の製品ページで確認してみるが、ざっくりとした分かりにくい説明しかなく、何を買えば目的が達成できるのか良く分からない。一方、馬鹿高い表示ディスプレイだの、毎月お金を払ってクラウド経由で電力消費データが可視可できるソリューションにも投資したくはない。大体にして、東京電力をはじめとして、Bルートを消費者に活用させようという気がなさげなので、説明する気もないのかと思う。HEMS機器に関しても、助成金もらいつつ工事会社が導入というパターンらしく、一般消費者に詳細を説明する気はなさそうだ。
色々調べた結果、東芝ライテック社のホームゲートウェイ HEM-GW16A が使えそうな雰囲気なので、ダメもとで入手してみた。
ちなみにマニュアルのpdfはここにある。
▼届いたHEM-GW16Aの外箱。いかにも店頭売りをする気はなさげな感じ。
▼HEM-GW16A梱包内容物。本体、USB-ACアダプタ、ケーブル、説明書など。
▼HEM-GW16A本体は思っていたよりもだいぶ小さいサイズ。
▼HEM-GW16A本体外観。920MHzとあるのがWi-SUNの接続LED。
このHEM-GW16A、通常のWiFiルータと同様に機能する。アクセスポイントにすることもできるが、そうするとたぶん目的であるところのスマートメーターの情報を読むことができなくなる。
うちの宅内ネットワークは、VDSLのホームゲートウェイに、WiFiルータがもう一段の2段になっており、このHEM-GW16Aまで経由してしまうとNATが3段になってしまう。へんな問題が起きるのは避けたいので、HEM-GW16Aは末端につなぎ、読み取り用の端末だけHEM-GW16AのWiFiにつなげるようにする。
▼うちのネットワーク機器置き場に収まったHEM-GW16A。
USB給電が可能だったのはうれしい誤算。電力はQNAPの空きUSBポートからいただいている。
USB給電が可能だったのはうれしい誤算。電力はQNAPの空きUSBポートからいただいている。
HEM-GW16Aからスマートメーターへの接続設定は、普通のWiFiルーターの設定のように、HEM-GW16Aにネットワーク接続した端末からブラウザ経由で行う。初期設定はiPadから行った。
▼最初に接続した状態。
▼新規登録のページから、TEPCOから送られてきた認証ID (ゼロゼロ!!ゼロゼロ!!)とパスワードを入力する。
▼我が家のスマートメータを無事登録完了!
これで、HEM-GW16Aと我が家のスマートメーターがWi-SUNでBルート接続されたことになる。
▼HEM-GW16A経由でスマートメーターの消費電力量データが表示されたところ。
右上にオーバーレイしているのは、うちの太陽光発電電力計。
Bルート経由のTEPCO電力消費量と、太陽光発電量の両方がこのタブレット一台で見られるようになり、目的はほぼ達成でき満足。
【まとめ】
- スマートメーターになったらWi-SUN対応HEMS機器を使って、電力消費データがリアルタイムに読み取れる
- Bルート、HEMS機器の情報がきちんと公開されていないので、自分でやろうと思うと情報収集が大変。なんとかしたら >関係各社
- 他にはこんな方法も: