’09年11月16-20日渡米の際に利用した結果を反映して、更新・追記
【目的】
米国滞在時、Softbankの国際データローミングや、音声ローミングを使うと、あっというまにすごい利用料金がかかる。
現地プリペイドSIMを利用する事によって、Google Mapsなどデータ通信量の多いAppを、米国滞在中も手軽に利用できるようにする。また、格安の現地通話と、割安な国際電話もできてウマー。
【↓のいずれかのSIMロックフリーiPhone必須】
- Jailbreak + Ultrasn0wまたはBlacksn0wを適用
- SIMロックフリー下駄を使用
- 香港、イタリア、オーストラリアなどで販売されている、Apple純正SIMロックフリーのiPhoneを入手
1. AT&T Gophone携帯を入手
Gophoneは、米国AT&Tプリケーのブランド。T-Mobileなど、他社でもプリケーを販売はしているが、、データ通信プランのコストパフォーマンスを考えると、Gophoneが一番iPhoneでは使いやすく、多くのユーザに使われている模様。このまとめでは、Gophoneの利用を前提としてまとめている。
まずは、Gophoneに対応した携帯端末を入手する必要がある。SIMさえあればよい、プリペ端末などいらぬわ! と思うかもしれないが、マッサラ状態のAT&T GophoneのSIMをアクティベートするには、必ず純正プリペ端末が必要になる。Gophone端末は、米国ではBest Buy、Fry’sなどの家電量販店、Targetなどの大型スーパーなどで、格安で販売している。値引きを考えなければ、AT&T携帯を扱っている店なら、だいたい扱っている。渡米前に手に入れたい場合は、Ebayあたりでどぞ。
▼Best Buyで$19.99で購入した、格安Nokia端末のセット。リフィルがゼロのタイプ。アクティベートして以来、全く使っていないがw
まぁ日本のプリケーと同じ程度の機能と性能。一緒に、アクティベーション前のプリペSIMが同梱されている。
すぐ使いたい場合、端末購入時に一緒にGophoneのリフィルカードを購入しておくこと。
▼Gophoneのプリペイド・リフィルカード。iTunes Cardと同じようなスクラッチカードになっている。$15、$25、$50、$75、$100のカードがある。
米国の口座を持っていないと、クレジットカード払いや、銀行引き落としでは利用料金のリフィルができない。米国在住者以外は、通常このリフィルカードが、唯一の入金手段となる。
※日本の住所のクレジットカードでも、リフィルができる場合もあるようだ。’09年11月、渡米の際に自分でも試してみたが、問題なかった。州をえらぶセ クションはCalifornia、国名は選択できないのでUSAのまま、あとは日本の住所を英語で入力したら、普通にリフィルができた。
注意:Gophone 携帯パッケージで、SIMカードと$15のリフィルがバンドルされているものがある。このパッケージではアクティベートした携帯のIMEI(製造番号)と SIM(ICID)が紐つけされ、結果としてiPhoneを含む、その他の携帯では利用できなくなるというレポートが、limitededitioniphone.comの記事であがっている。当ブログにも、複数の方からレポートが上がっているので、要注意。
プリペイド料金がバンドルされていないSIMの入手は、Ebayなどオークションサイトで日常的に出品されている他、AT&Tストアなどで入手できる。ただし、AT&Tストアで購入すると、結構割高になることが多いので注意。
▼$15のリフィル付きで端末に付属するGoPhone SIM。SKU73039
(写真提供Thanks: marc1470氏)
このタイプのSIMは、付属する端末に紐付けされ、アンロックしたiPhoneでは使用できないようだ。
自分でこれまでにiPhoneでの利用が確認できているSIMは、SKU71234、64205の2つ。
marc1470氏によれば、SKU71247もiPhoneで動作している。
これ以外に、動作する・しないを確認できたSIMがあったら、ぜひコメントで知らせてほしい。
▼SKU 71234 多く流通しているSIM
カード全体のデザインは、色々あるので、それぞれSKU番号で確認のこと。
▼SKU 71274 最近流通しているSIM(写真提供: marc1470氏)
▼SKU 64205 AT&Tに社名が変更になる前のプリペイドSIM。まだ流通しており、iPhoneで使用が確認できた。
2. プリペSIMをアクティベート、リフィル
アクティベート、リフィルなどの作業については、web上で行うことができる。
新規に入手したGophone SIMは、Gophoneのアクティベーションページから、Gophone SIMの固有番号、Gophone純正端末、住所氏名などの個人情報、アメリカで主に利用する地域を入力。最後にアクティベーションを行うと、初めて利用料金のリフィルをして、使えるようになる。繰り返しになるが、このアクティベーションのプロセスには、純正Gophone端末のIMEIが必要になる。iPhoneのIMEIではアクティベートできないので注意。
▼プリペ端末パッケージに付属するAT&T GophoneのSIM
▼アクティベーションページの入力画面。SIMの固有番号に続き、Gophone純正端末のIMEI(端末番号)、住所などの個人情報を入れる。最後に、アクティベーションを実行すると、自分の電話番号が付与され、初めて使えるようになる。トラブルの原因になるので、webへの入力はアメリカについてからやったほうがよいとオモ。
料金プランには、”Pay As You Go”(利用に応じて料金を払う・いわゆる普通のプリペ利用方法)と”Pick Your Plan” (普通の携帯のように、月ぎめ料金で払う)の2種類がある点に注意。長期滞在でもない限り、普通は”Pay As You Go”かと。
アクティベーション直後は、自分のアカウントは残額がゼロになっている。前述のリフィルカードの裏にあるPIN番号を利用して、チャージをする必要がある。チャージの作業は、Gophoneリフィルページからできるので、アクティベーションに続いて、一緒にやっておくとよい。iPhoneにSIMを入れて、通話可能になった状態から *888*PIN番号# でもOK。
▼アクティベーションが終了したら、純正端末からSIMを抜き、SIMロックフリー状態のiPhoneに入れて、利用をすることができる。
きちんとアクティベートが完了していれば、キャリア名表示部分に、AT&T 3G (2Gのみ通信可能な場合は、AT&T E)と出る。
以降、リフィルなどの作業は、Gophoneのwebサイト、iPhoneから自動応答音声サービス (611) でも行えるので、もう純正端末には用はない。でも、友達や家族と一緒に旅行して、連絡用に使いたい人は、Gophone SIMをもう1枚入手して、iPhoneとGophone携帯で使うとよいかも。
(※同一のプリペ端末IMEIで同時に2つGophone SIMをアクティベートできるかは未確認なので注意)
3. キャリアプロファイルの追加
iPhone OS 3.0から、APN情報を追加しないと、GoPhoneでデータ通信ができなくなっている。AT&Tの正規契約iPhoneと、それ以外のAT&T契約で、キャリアプロファイルが異なるようになったのが原因っぽい。したがって、以下のAPN情報を、手作業で追加する必要がある。
APN情報を追加するまでは、音声通話のみ可能な状態になっている。
APN: wap.cingular
ユーザ名: WAP@CINGULARGPRS.COM
パスワード: CINGULAR1
追加方法としては、
- iPhone Configuration Utility を利用して作成したキャリアプロファイルを、母艦からアップロード
- www.unlockit.co.nz にWiFi経由でiPhoneからアクセス、US-AT&Tを選択、作成したプロファイルをインストール
- Supreme Preferences 3.0 (要JB) でCellular Data Editingをオン、表示されたパケット通信の項目からAPN情報を入力
などがある。
4. iPhoneでのAT&T Gophoneの利用
アクティベーションが終われば、あとは国内、国際通話は自由にできる。ソフトバンクの国際ローミング料金と比較してみると、
ソフトバンク
日本の電話へ 140円/分
現地の電話へ 125円/分
電話着信 127円/1着信(国際・国内とも・高いYo!)
データ通信 5円/kb (ミニマムチャージ100円)
AT&T Gophone Pay As You Go
Unlimited Talk Plan
日本の電話へ 89セント/分
現地の電話へ 10セント/分
AT&Tの携帯同士: 無料
電話着信 10セント/1着信 (国際・国内とも)
データ通信 1セント/kb
音声通話では、かなりの料金メリットがあることがわかる。データ通信も、ソフトバンクのデータローミングの1/5程度と、割引がない状態でも、結構割安だ。
しかし、AT&T Gophoneを利用してiPhoneを使う場合に威力を発揮するのは、MediaNetという割引オプションだ。利用するためには、前払いで希望するオプションを購入する必要がある。2009年4月現在、下記の2種類が提供されている。
- 1MBまで – $4.99 (ソフトバンクの国際ローミングで1MB通信したら5000円!!!)
- 100MBまで – $19.99 (ソフトバンクの国際ローミングなら50万円!!!!!!!!!!!!!!!!!!)
前払いでこのオプションを購入すれば、1MB、100MBの利用に達するまで、追加料金なしという、言ってみれば天井付きのパケット定額になる。
パケット使いまくりのiPhoneを利用するのだから、ここは100MB一択だろう。1週間ぐらいの滞在なら十分だが、使い切ってしまったら、また購入することができる。
【参考過去エントリ】
これまで、このMediaNetオプションを購入・設定するのが、結構めんどくさかった。GoPhone SIMの入った携帯なりiPhoneから、ダイヤル611の自動応答サービスと会話をして購入する必要があった。
▼’09年11月現在、MediaNetの購入は、webから行うことができる。
音声サービス611で設定する場合、 英語でアナウンスされる選択肢に沿って、実際に自分で英語で喋って先に進んでいく、うっとおしいシステムだ。MediaNet 100MBを購入する時の会話は
おねいさん「Blah-Blah-Blah….(説明の最後に選択肢となるメニューアイテムを喋る) What Would you like to do today?」
自分「Buy features」(MediaNetなどのオプションは、”features”と呼ばれる)
おねいさん「You want to buy features, correct?」
自分「Yes」
おねいさん「What features would you like to buy? Blah- Blah-…」
自分「MediaNet」
おねいさん「….1MB, 100MB…Which Media Netうんたらくんたら」
自分「100MB」
~中略~
おねいさん「You want to buy 100MB MediaNet. If this is correct, say “buy it”」
自分「Buy it」
で、ここで購入するMediaNetの料金は、あらかじめチャージしてある残高から引かれる事になる。100MBのオプションは$19.99もするので、最初に残額の確認を忘れずに。おねいさんに頼んで、手持ちのリフィルカードを使って残高を増やすこともできるが、うざいのでwebでの手続きか、*888*PIN番号# でのリフィル推奨www
▼*777*3#をダイヤルすると、MediaNetの残りバイト数をいつでも表示できる。
なぜか、リダイヤルだと機能しないので、毎回いちいちダイヤルする必要がある。
100MBもあれば、使い放題と書いたが、MediaNetを全部使ってしまった場合、残りはリフィルした料金から、1セント/kbで残額から自動的に引かれるのだ。バンバンデータ通信をする使い方をしていると、知らないうちにMediaNet+残額クレジット全部を使い切ってしまうことになる。残額ゼロになれば、無料通話以外の発信も着信もできなくなる。100MBを使い切ってしまうような利用方法をする場合、前もってたくさんリフィルしすぎないようお勧めする。
3. 帰国後のGoPhoneアカウントのメンテナンス
Gophoneで長期間同じ電話番号を確保しておくには、アカウントの有効期限に気をつける必要がある。$15のリフィルカードでは30日、$25-$75のリフィルカードは、1枚ごとに90日の有効期限が延長される。1年間番号を維持したかったら、4回以上リフィルをする必要がある。$100のカードでは1年間延長されるので、初めから長期利用が前提であれば、これが一番得かもしれない。
▼リフィルカードと、それぞれで延長される期限。(出典: AT&T)
カード | 有効期限延長 |
---|---|
$15 | 30日 |
$25 | 90日 |
$50 | 90日 |
$75 | 90日 |
$100 | 365日 |
アメリカの銀行口座や、GoPhoneで登録可能なクレジットカードを持っていれば、Gophoneサイトからリフィルするのも簡単だが、そうでない場合は手元にリフィルカードがなければ、Ebayとかで買ってリフィルするしかない。
日本のプリケー同様、有効期限が切れてしまえば番号とアカウントは無効になり、再度リフィルすることはできない。
でも、またGophoneの端末キットを買うのはバカバカしい。しかし、普通の量販店ではGophone SIM単体を取り扱っていない。AT&Tの直営店に行けば購入できるようだが、チャージゼロで1枚$25とかで売っており、SIMつき特売端末よりも高かったりする。SIM単体で欲しい人向けに、EbayでGophone用のアクティベート前のSIMが、結構出品されているので、これを購入するとよろしい。大体が送料込みでも$10以下で出品されている。
買った新しいSIMを持って渡米する際には、Gophoneの純正端末のIMEIを控えておくこと。また、何かあった時のために、端末も忘れずに充電して持っていくこと。うっかりさんは要注意www(自分だ)
GoPhone利用リンク集:
GoPhone Refill 利用料金のリフィル
Pay As You Go Online 利用者情報の変更、MediaNetの購入など
Activate Your Phone アカウントのアクティベート
- 販売されているGophone 携帯パッケージで、SIMカードとプリペイド料金がバンドルされているものがある。このパッケージではアクティベートした携帯のIMEI(製造番号)と SIMが紐つけされ、結果としてiPhoneを含む、その他の携帯では利用できなくなるというレポートが、limitededitioniphone.comの記事で複数あがっている。本件、当ブログにも、複数の方からレポートが上がっているので、要注意。