2012年10月、日本版Kindleストアオープンの熱狂とともに、初代Kindle Paperwhiteが発売されました。あれからもう6年も経ったんですねえ。
初代Paperwhite(2012)以降、Paperwhite(2013)、Paperwhite(2015)とリフレッシュされてきましたが、ボディのデザインはほぼ一緒で、電子インクパネルやCPUなどのアップデートによる、マイナーチェンジしか行われてきませんでした。
今回の新型Paperwhiteは4代目にして初めてのフルモデルチェンジになります。
早速レビューしていきます。
開封の儀
▼到着した新型Paperwhiteのパッケージ。
今までのKindleでは見たことがない、細長く薄ーいパッケージです。
▼新型Paperwhiteと付属品が、中箱に横から差し込まれていました。
中箱にはツヤのあるインクでKindle PaperwhiteのロゴとTree Boyのシンボルマークが印刷されています。やはりこれまでにないパッケージデザインです。
▼付属品はUSBケーブル、スタートアップガイド、保証規約のみです。
USBケーブルは中箱の下部に、結束テープなしで入っていました。他の電子インクKindle同様、充電アダプタは付属しません。ていうか、今回の薄ーいパッケージでは入れる場所もないですね。
▼新型Paperwhite前面から。
新型Paperwhiteは、Paperwhiteシリーズでは初めて強化フロントガラスが採用になっています。
▼旧型Paperwhite(手前)とフロント部分を比較。
写真でわかるように、旧Paperwhiteでは額縁部分と電子インクパネル部分に段差がありました。新型PaperwhiteではハイエンドのOasisやVoyage同様に、全面フラットになっており、指の引っかかりがなく、ピンチインなどの操作がスムーズにできます。
ディスプレイパネル、CPUについては旧Paperwhiteと同一のため、電子書籍の表示品質やページ送りのスピードなどは同等に感じられます。
フロントライトのLEDが1個多くなっていますが、若干新型の方が明るく見える気がしますが、旧型のライトが経年劣化しているせいかも知れず、正確にはわかりません。
▼新型Paperwhite裏面から。
これまでのPaperwhiteシリーズ同様、側面と裏面にはラバーコーティングされており、手から滑り落ちにくくなっています。
▼新型Paperwhiteを側面4方向から。
底部にμUSBコネクタと電源スイッチがあるのみで、他の面にはスイッチ類はありません。
新旧Paperwhite比較
▼底部部分を新旧Paperwhiteで比較
旧型Paperwhiteでは底部のスイッチ・コネクタ部分に出っ張りがありましたが、新型ではスムーズなデザインに変わっています。
▼Paperwhite全4世代を並べてみました。(タップ・クリックで拡大表示)
左からPaperwhite 2018、2015、2013、2012です。
旧型3世代は全て同じ外形デザインになっており、区別するのが難しいです。見分けるには、裏側のロゴ表記を確認します。
▼Paperwhite全4世代、裏側。(タップ・クリックで拡大表示)
Paperwhite (2018) =Amazonロゴ(艶消し)
Paperwhite (2015) =Amazonロゴ(艶消し)
Paperwhite (2013) =Amazonロゴ(光沢)
Paperwhite (2012) =Kindleロゴ
で区別できます。参考まで、Paperwhite全4世代の仕様を巻末にまとめておきます。
新型Paperwhiteの旧型からの大きな変更点は、フラットパネル化に加え、小型軽量化、メモリ大容量化と防水対応になります。8GBメモリでは、漫画130冊、32GBなら650冊以上がローカル保存できるとされています(アマゾン調べ)。
Paperwhite(2015)との比較では、厚さが2ミリ、縦横1ミリ小型化され、重量は23g減少しています。持ってみても、実際に軽くなっているのがよくわかります。また、厚さが減って前面がフラット化したため、持ちやすく、操作しやすくなっています。
上位機Voyageを凌駕する性能
今回入れ替わるように、1-2か月ほど前にKindle Voyageの販売が終了しています。実は、今回の新型Paperwhiteの機能と性能は、Voyageに非常に近いものになっており、Voyage後継の位置づけにもなっています。実際に仕様を比較してみました。
▼Voyage / Paperwhite 2018 仕様比較
Kindle Voyage (販売終了) | Kindle Paperwhite (2018) | |
---|---|---|
ディスプレイ | 6" E Inkパネル (Carta) 1080x1440 300ppi 反射防止強化ガラス | ← ← ← |
フロントライト | 6 LED | 5 LED |
プロセッサ | Freescale i.MX6SL 1GHz (512MB RAM) | ← ← |
ページ送りボタン | タッチキー x4 | なし |
外寸/ 重量 | 162 x 115 x 7.6 mm 180g (WiFi) 188g (3G+WiFi) | 167 x 116 x 8.18mm 182g (WiFi) 191g (4G+WiFi) |
メモリ容量 | 4GB | 8GBまたは32GB |
使用可能時間 | 最長6週間 | ← |
ワイヤレス | 802.11b/g/n 3G (セルラーモデル) Bluetoothなし | ← 4G (セルラーモデル) Bluetooth搭載 |
オーディオ | なし | VoiceView/Audible (Bluetooth機器経由) |
防水機能 | なし | IPX8 (真水2Mで60分まで) |
価格 | 23,980~29,180円 | 13,980~22,980円 |
ほとんどの部分で高級機のVoyageに仕様が肉薄しているのがわかります。加えて、Paperwhiteには初の防水仕様と大容量メモリ、Bluetooth搭載など、Voyageを凌駕している部分もあります。日本語環境ではまだ対応していませんが、Bluetoothヘッドフォン経由で、AudibleやVoiceviewを利用することができます。
▼Voyageと新型Paperwhite前面から。
フラットパネル化されて、重量も2gしか変わらないため、新型Paperwhiteは手に持っている感覚もVoyageに近いです。評価中も何回も電源スイッチの位置を間違えたぐらいですw Voyageにある左右のページ送りキーは新型Paperwhiteにはありませんが、機能的に減っているのはこれぐらいではないでしょうか。
Voyageの正統な後継とも言える仕様で、Voyageよりも約1万円も安く購入できる新型Paperwhite、これはかなりお買い得ではないでしょうか。(Voyageユーザとしてはちょっと涙目)
初の防水対応Paperwhite
最後に防水対応の件ですが、新型PaperwhiteはIPX8防水仕様となっています。これはOasis(2017)と同様、以下の仕様になります。
7 | 水に浸しても影響がないように保護する。 | 規定の圧力及び時間で外郭を一時的に水中に沈めたとき、有害な影響を生じる量の水の浸入があってはならない。 |
8 | 潜水状態での使用に対して保護する。 | 関係者間で取り決めた数字7より厳しい条件下で外郭を継続的に水中に沈めたとき、有害な影響を生じる量の水の浸入があってはならない。 |
把握したので、Oasisの時と同様、安心して水に沈めてみます。
撮影用に5-6回投入しましたが、特に問題ないようです。でもIPX8はあくまでも常温水対応ですから、熱い風呂水に落とさないように注意してください。
あと、オプションで水に強い純正ファブリックカバーも発売されているようです。
まとめ
新型Paperwhite:初のフルモデルチェンジ
- フラットパネル化の新デザイン
- 小型軽量化
- メモリ大容量化 (8GB/32GB)
- IPX8防水対応
- Bluetooth搭載(残念日本語対応未定)
新型Paperwhite: Voyageの正統な後継
- ハードキー以外殆どの仕様を網羅
- さらに新機能搭載
- しかも1万円もお得
新型Paperwhite:こんな方にお勧め
- 無印Kindleユーザー
バックライト付高精細パネル、高速、しかも防水にアップグレード - Paperwhite 2012/2013ユーザー
高速(2012)、高速ページ送り機能、軽量、しかも防水にアップグレード - 防水Kindleが欲しくてたまらないPaperwhite 2015ユーザー
まだイケる気がしますが、止めませんw
新型PaperwhiteやKindle・Fire各モデルで、使用上の疑問などありましたら、
下記のエントリもご参考にどうぞ。
ふろく
▼現行Kindle比較表
Kindle Oasis (2017) | Kindle Paperwhite (2018) | Kindle (2016) | |
---|---|---|---|
ディスプレイ | 7" E Inkパネル(Carta) 1680x1264 300ppi 反射防止強化ガラス | 6" E Inkパネル(Carta) 1080x1440 300ppi 反射防止強化ガラス | 6" E Inkパネル(Pearl) 800x600 167ppi |
フロントライト | 12 LED 自動調光 | 5 LED | なし |
プロセッサ | Freescale i.MX7 デュアルコア 1GHz (512MB RAM) | Freescale i.MX6SL 1GHz (512MB RAM) | ← |
ユーザ・ インタフェース | 静電容量タッチパネル ページ送りボタン x 2 加速度センサー | ← | ← |
本体色 | グラファイト & シャンパンゴールド | ブラック | ブラック & ホワイト |
外寸/ 重量 | 159x141x3.4-8.5 mm 194g (WiFi) 194g (3G+WiFi) | 167x116x8.18mm 182g (WiFi) 191g (3G+WiFi) | 160x115 x9.1mm 161g |
メモリ容量 | 4GBまたは32GB | 8GBまたは32GB | 4GB |
使用可能時間 | 最長6週間 (ワイヤレスOFFで30分/日使用) | ← | 最長4週間 |
ワイヤレス | 802.11b/g/n Bluetooth 3G (セルラーモデル) | ← ← 4G (セルラーモデル) | ← ← セルラーモデルなし |
オーディオ | VoiceView/Audible (Bluetooth機器経由) | ← | ← |
防水機能 | IPX8 (真水2Mで60分まで) | ← | なし |
価格 | 29,980~40,980円 | 13,980~22,980円 | 7,980~9,980円 |
Kindle Oasis (2017) | Kindle Paperwhite (2018) | Kindle (2016) |
Paperwhite (2021) | Paperwhite (2018) | Paperwhite (2015) | Paperwhite (2013) | Paperwhite (2012=初代) | |
---|---|---|---|---|---|
ディスプレイ | 6.8"E Ink (Carta 1200) 1264x1680 300ppi 反射防止強化ガラス | 6"E Ink (Carta) 1080x1440 300ppi 反射防止強化ガラス | ← ← ← | ← ← ← | 6"E Ink (Pearl) 758x1024 212ppi |
フロントライト | 17 LED 色調調節機能 自動調光機能 (signatureモデル) | 5 LED | 4 LED | ← | ← |
プロセッサ | 確認中 おそらく i.MX7 デュアルコア 1GHz (512MB RAM) | Freescale i.MX6SL 1GHz | ← ← | ← ← | Freescale i.MX50 800 MHz |
外寸/ 重量 | 174x125x8.1mm 205g | 167x116x8.18mm 182g (WiFi) 191g (4G+WiFi) | 169x117x9.1mm 205g (WiFi) 217g (3G+WiFi) | ← 206g (WiFi) 215g (3G+WiFi) | ← 213g (WiFi) 222g (3G+WiFi) |
メモリ容量 | 8GB 32GB (signatureモデル) | 8GB 32GB | 4GB 32GB (マンガモデル) | 4GB (US版は2GB) | 2GB |
使用可能時間 | 最長10週間 | 最長6週間 | ← | ← | ← |
充電・接続端子 | USB Type-C | マイクロUSB | ← | ← | ← |
ワイヤレス | 802.11b/g/n Bluetooth搭載 | ← ← LTE (4G+WiFi) | ← 3G (3G+WiFi) | ← ← | ← ← |
オーディオ | VoiceView/ Audible (Bluetooth経由) | ← ← | なし | ← | ← |
防水機能 | IPX8 (真水2M60分迄) | ← | なし | ← | ← |
Paperwhite (2021) | Paperwhite (2018) | Paperwhite (2015) | Paperwhite (2013) | Paperwhite (2012=初代) |
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