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【骨董移動端末館】番外編 Regency TR-1 世界最初のトランジスタラジオ

骨董移動端末館

最近、年代物のモバイル端末を、eBayなどでコツコツ収集中。『骨董移動端末館』と題して、ぼちぼち所蔵品をエントリで紹介して行きたい。現在の収蔵品は、VINTAGE MOBILEのページにまとめてあります。骨董モバイル端末集め、楽しいよ!おすすめ。

 

今回は、本来の趣旨から若干脱線して入手してしまった、世界最初のトランジスタラジオ、Regency TR-1をご紹介。

TR-1_bbg

メーカーIndustrial Development Engineering Associates
(I.D.E.A.)
製品名Regency TR-1
型番TR-1
発売年月1954年11月1日
発売時価格/入手価格$49.95(現在の価値で$400程度)/ $300
周波数640 – 1240kHz
受信方式4石トランジスタ、スーパーへテロダイン
電源Eveready 412 積層電池 22.5V
寸法・重量3 x 5 x 1.25インチ・12オンス (バッテリ込)
詳細情報Wikipedia Regency TR-1
http://www.mequonsteve.com/regency/

Regency TR-1は、Industrial Development Engineering Associates (I.D.E.A.)という会社が、テキサスインスツルメンツ社(TI)製トランジスタを使用して開発した、世界最初のトランジスタラジオ。トランジスタを利用した電化製品で大量に販売された初めての製品でもある。1954年11月発売なので、約60年前の製品となる。
あれ、ソニーが世界最初じゃなかったの? と思いがちだが、そのころソニーは、TIの親会社が所有していたトランジスタの特許をライセンスし、トランジスタ自体の自社開発に取り組んでいた。結果として、ソニー最初のトランジスタラジオは、TR-1の一年遅れの1955年8月に販売が開始された。

▼Regency TR-1、大きさの比較でiPhone 5と並べてみた。
TR-1_iPhone5_bbg

 

正面からだと、60年前のラジオにしちゃ小さいんじゃないの?と思うが、

 

▼横から比較。かなり分厚いことがわかる。
TR-1_iPhone5_side_bbg

 

▼Regency TR-1内部。いまどき見ないような、懐かしくもデカイ部品で構成されている。
TR-1_inside_wbg

入手してから気がついたのだが、このTR-1シリアルがものすごく若い。40万台を売り上げたらしいので、かなり初期のロットのものと思われる。調べてみたら、製造開始3週目のロットらしい。

 

▼TR-1で使用するバッテリは現代では非常に特殊な22.5Vの積層電池。高電圧だが、内部で小さなバッテリセルが直列に接続されている。
大きさとしては006P乾電池に近い。下は比較用の単三乾電池。
batt_22.5v_bbg

 

このバッテリだが、当時ポータブル真空管ラジオ(そんなのあったのかとビックリ)を駆動するために使われていたものらしい。その後カメラのフラッシュのバッテリとしても使われたらしいが、現代ではご用済みで入手が非情に難しい。私はeBayで探してなんとか入手。こういった用途用に中国で製造されているものらしい。バッテリ上に印刷されている電圧は22.9Vとある。

 

▼バッテリを挿入するとこんな感じ。
プラスマイナスを間違えると大変なことになるので、テスターで極性を確認してから入れた。
TR-1_inside_battmounted_wbg

 

eBayで出回っているRegency TR-1は部品劣化のため機能しなかったり、売り手がバッテリを持っておらず動作不明とされているものが多い。(まあ大概そういう出品物は動かないわけだが)

この入手した個体は、バーアンテナの接触が悪いが再生可能という触れ込みだったので購入した。が、その後バッテリの入手に時間がかかり、中々動作が確認できなかった。

動かしてみた結果、、

 

ばっちり動作しました!嬉しい!

 

 

▼記念に動画を撮ってYouTubeにアップしてみた。
誕生から60年の時を経て、東京の放送をきっと初めて再生するTR-1。胸熱ですな。

 

▼オプションの本革製ケース(当時価格 $3.95)と、耳掛けイヤフォン(当時価格 $7.95)と並べて
ケースは厚手のすごい立派な皮ケース。60年たっても劣化がみられない。このしょぼいイヤホンが立派な皮ケースの倍の値段つーのが時代を感じさせるなあ。
TR-1_case_earphone_front_wbg

 

▼純正オプションなので、皮ケースにはすっぽりとTR-1が収まる。
TR-1_cased_front_wbg

 

▼裏側にはベルトに掛けるフックと、イヤホン用とおぼしきポケットがある。
イヤホンを入れてみたらぴったりサイズ。
TR-1_cased_earphone_wbg

 

▼1955年当時のRegency TR-1の製造工程の動画がYouTubeに上がってた

 

さて、骨董モバイルガジェット集めが脱線して入手してしまったRegency TR-1だが、脱真空管・トランジスタ時代を切り開いた製品である。先を越されてしまったソニーは、すごい勢いで自社製トランジスタの開発に精を出し、デザインとコストで多社を圧倒する様々なポータブル機器を世に出すことになる。 多社もまた同様で、デバイスの小型化への口火を開いたのがこのRegency TR-1と言えるのではないだろうか。

などと脱線してへんなものを買ってしまった言い訳をしてみるテスト。

TR-1入手してみたいモノ好きな人が他にいたら、TR-1Gは2世代目なので注意してね。e-Bayでぼちぼち出品されており、状態により$200-$700ぐらいで取引されてます。

 

以上で骨董移動端末館、番外編、Regency TR-1ご紹介、おしまいー。次回をお楽しみにw

TR-1_bbg

メーカーIndustrial Development Engineering Associates
(I.D.E.A.)
製品名Regency TR-1
型番TR-1
発売年月1954年11月1日
発売時価格/入手価格$49.95(現在の価値で$400程度)/ $300
周波数640 – 1240kHz
受信方式4石トランジスタ、スーパーへテロダイン
電源Eveready 412 積層電池 22.5V
寸法・重量3 x 5 x 1.25インチ・12オンス (バッテリ込)
詳細情報Wikipedia Regency TR-1
http://www.mequonsteve.com/regency/

 

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