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テクノロジ – CNETのweb版Office 14パネル記事へ勝手コメント

CNETのオンラインパネル記事、「MSのウェブ版Officeが登場–オフィス製品の行く末は?」のパネリスト各位のコメントを読んで、かなり気が滅入った。どうしてこんなに狭量で大局が見えない、他人事ですらリスクを取った物の考え方のできない人が多いのか。

OSとOffice Suiteのライセンス、バージョンアップ売り上げを主力のビジネスとするマイクロソフトは、これらがいつも足を引っ張って、ネットにおける主導権を握れずに来た。たとえば、IEだってその犠牲者の一つ。ネットを主軸におく企業であったなら、IEだってとっくにLinuxのメジャーなディストリビューションに統合されていてもおかしくないだろ。ブログとかやっていて、アクセス解析を見ている人なら同意してもらえると思うけど、もうIEはFireFox、Safari、Chromeその他に埋もれて、このままだとマイナーブラウザになってしまう気がする。

一方、マイクロソフトが目の敵にしているGoogleは広告が主体のビジネスモデル、それ以外はなんでもありだ。たとえば、オープンソースでGoogle クライアントとしてAndroidを強力に推しながら、しれーっとiPhoneにもGoogle EarthやStreet Viewをタイムリーに提供したりできる。Android端末は彼らにとってiPhoneやその他のスマートフォンの競合ではない。携帯端末全部が全部、市場つーわけだ。Windows Mobileのライセンスを主軸とする、マイクロソフトの携帯端末戦略が勝てる見込みなんかどこにもないだろ。

今回のweb版オフィスに見る、マイクロソフトの戦略転換は、らしくない大英断と思え、期待してみている。ブラウザの対応にしてみても、IE、FireFox、Safariへの対応を当初から強く表明、既存のビジネスモデルへのインパクト・リスクを取ってでも立ち上げようという気鋭が感じられる。

話はもどって、CNETのパネル記事では、半数ぐらいのパネリストが、あれはだめだ、これはだめだと後ろ向きなことばかりコメントしている。パネリストになったと妄想して、気になった意見を引用して勝手にコメント。

●大企業でこれだけセキュリティでビクビクしている時代にすべてのドキュメントを他社の、しかも、マイクロソフトのサーバーに乗っけるなんて、ダイナマイト抱えて、ファイヤーダンスを踊るようなものでしょう。まず、大企業で流行らないです。
へー、大企業の社員の家のパソコンのWinny経由でどんだけ機密情報が流出してましたっけ?最近のリサーチでも、昼休み中のパソコンにセキュリティゼロがかなり多いっていうのもあったけど? まして、日本企業のサーバルームのセキュリティが、マイクロソフトや、まして貸金庫もかくやというアメリカのデータセンターとくらべて、そんなに堅牢なんだっけ? 通信部分のセキュリティが十分に強固になれば、企業のデータセンターは、そのうち大方国外になっちゃうかもよ。

●集中して仕事したいときはネットつなぎません。オンライン必須は困ります。
これはたしかにそう。携帯とかの伝送網があれば、常時接続できるというのも妄想(地下鉄通勤者なので身にしみる)なので、マイクロソフトも、オフラインモードも併用できる実装をすると思う。

●Officeがオンラインになって戸惑うユーザーは非常に多いと思いますね。クラウドなどまだまだ一部の人しか知らないし、必要もない。
確かにクラウドという単語や仕組みなど、ユーザが知る必要はない。クラウド(笑)とつけたくなるぐらい、あまり好きな言葉ではないが、携帯電話、スマートフォン、ネットブックの利用モデルは確実にコンピューティング・リソースをサーバにシフトしている、という事にユーザ以外は気づいていないと思う。

●仮に一つの大企業が全てオンラインのOfficeに切り替えたとした場合、確実に業務効率が落ち、ミスなどが多発するかと考えます。。。。
コレは一番トホホなコメントだった。日本郵政のSalesforce.comの大量導入って知ってるかと、1日中問い詰めたい。

●世代交代とともにSNSみたいなものが業務で使われるようになり、ExcelはともかくWordは絶滅する、ぐらいの斜め上から降ってくる異種格闘戦のほうが面白いし、実はもっともリアリティがあるんじゃないか?と思ったりもします。
そのとーり。競争は資本主義のコア・ビジネスモデル。多くの人が目にする場所で、グダグダ後ろ向き文句ばっかり言ってないで、建設的に考えましょうよ。記事なんだから、面白く読ませてよ。

これをコメントされた方は、こんなことも言っていた。

オフィスアプリで作る文書は、最終的には自分以外の誰かに見せるために書くんです。WordやExcelが登場した頃にはネットがなかったのでフロッピーディスクで受け渡ししていましたが、これがメール添付になり(今ココ)、究極的にはWikiのようにウェブ上でそのまま共同編集できるようになっていくというのは、ごく自然な進化です。
目からウロコが落ちますた。

マイクロソフトは、今回のweb Officeでの戦略転換にとどまらず、Windows 7を無料で提供するとか、マイクロソフトの本気キター、と思える新機軸を打ち出してもらいたいものだ。ぼやぼやしてると、そのうちAppleに「OS Xをオープンソースにしますた」とか先に言われて、チーンってなっちゃうかもよ。

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