夢の倍速充電ケーブル SONICable、その効果を探る

SONICableという急速充電ケーブルをご存じだろうか。

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(画像出典: INDIEGOGO)

このSONICable、通常のUSBケーブルに比べ最大2倍のスピードで充電する、という胡散臭い夢の倍速充電ケーブル
SONICableは、INDIEGOGO経由で出資を募り、販売に至った。
んなわけあるかい、と思いながら今年の1月に出資した。お値段は$27+送料$6。INDIEGOGOによれば、全部で$526,978もの出資金が集まったらしい。
INDIEGOGOはネット上で出資を募って、目標額に到達したら商品化される、Kickstarterと同様のクラウドファンディングサービス。おもに利用するのはスタートアップ企業の最初の製品が多い。

で、そのSONICableが到着したのでテストをしてみた。

▼こちらがパッケージ。そこそこのおもてなし感のある化粧箱。
  

 

このケーブル、LightningとマイクロUSBの2種類がある。マイクロUSBのはアダプタを通せばiOSデバイスでも使えるという触れ込みだったので、そっちを購入。

▼SONICable、ケーブル本体。USBコネクタ側はリバーシブルコネクタ。
 

なんだかコタツっぽいケーブルに、これまたコタツっぽい中間スイッチがついている。この中間スイッチがSONICスイッチで、オンの時は急速充電のみ、オフの時は同期&通常充電となるらしい。
充電時にどれぐらいのパワーで充電しているか、とりあえず計測してみる。

▼Xperia Z3にSONICableを差し、5.2V/2.5Aの充電器から充電してみる。もちろんSONICスイッチは全力でオン。

5.17v ×1.07A = 5.53W。別に普通の電力量のようだ。

では、普通のUSBケーブルで測ってみるとする。

▼まったく同じ構成で、ケーブルだけ普通のUSBケーブルに変えて計測。
  

5.13v × 1.15A = 5.899W。あまり変わらない。ってあれSONICable(5.53Wh)より微妙に電力量多いぞ。
何回か測りなおしたり、しばらく様子をみたり、他のデバイスでも測ってみたりしたが、基本的に誤差程度の差しか確認できない。
オマケに、SONICスイッチをオフにして計測しても、あまり状況は変わらない。
これで倍速急速充電なんてできるんだろうか?

 

きっと

高度にインテリジェントなスマート充電アルゴリズムで、
デバイス状況や環境温度に合わせて最適な電力を供給し、
夢の倍速充電を実現

するに違いない!

と思い、実際にどのぐらいのスピードで充電できるか測ってみることにした。

テスト構成:
Amazon Kindle Fire (2012)
Amazon Kindle Fire急速充電器 (5V 1.8A)
iPhoneは時間計測用
確認時以外はKindle Fireの画面はオフで充電
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古いKindle Fireを使った理由は、画面を設定でつけっぱなしにできるので、次のテストのために完全放電が素早くするため。バッテリ残なしのインジケータが表示された状態から充電を開始。

まずは、普通の充電ケーブル(Amazon純正品)から。

▼充電開始1分22秒、Kindle Fireの電源が入る
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▼充電開始2時間で74%
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画面に表示されているのは、バッテリーステータス確認用のアプリ。しまった写真に取ると充電率の表示がこの大きさだと見えない。

▼3時間4分経過、94%。
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▼3時間33分で充電完了。
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▼次の測定をするため、画面をつけっ放し、負荷をかけて放電に励む。
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しかし、なかなか放電しきらず、時間が足りなくなったので日と場所を改めてSONICableの計測を行った。バッテリーのベンチマークって大変ね。

 

▼祈るような気持ちで、SONICableでの夢の倍速充電テスト開始!
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▼充電開始後2分36 秒、電源が入る。(通常ケーブル時: 1分22秒)
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▼30分経過。13%。(通常ケーブル時: 20%)
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んー、誤差誤差。これからが本領発揮。ゆっくり電気を沁み渡らせて、あとでガーっと夢の倍速充電だ!

▼2時間経過。51%。(通常ケーブル時: 74%)
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あ ら?

▼3時間1分経過。69% (通常ケーブル時: 94%/3時間4分)
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オイ。

▼3時間33分経過、82% (通常ケーブル時: 100%完了)
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・・・。

 

▼4時間50分経過、ようやく完了。 (通常ケーブル時: 3時間33分で100%完了)
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これ、アカンやつや。

※と、思ったのだが、Twitterでiyuto氏からコメントをもらった。

調べてみると確かにあった。こんなの前から書いてあったかな。

IMPORTANT TO CLARIFY:
SONICable does NOT charge faster from a wall outlet. SONICable charges up to twice as fast from a PC USB or a car USB port, NOT from a wall outlet.

もう終了、と思ってSONICableは置いてきちゃったので、また家に帰ったら試してみることにする。それまで結論は保留で。

 

追記 7/16

PC(Surface Pro) USBからのSONICable給電、Kindle Fireのフル充電を1サイクル完了した。所要時間は6時間13分。
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これまでの結果と比べてすごく遅いのは、PC USBの給電力が低いためで、SONICableのせいではない。
明日またノーマルケーブルで測ってみよう、と思い
最後にSONICスイッチのオンオフ時の電力を測ってみると、アレ?確かにスイッチをオンオフすると上がるが、切ったときは低電力の充電器に繋がったアラートが出る。

もしかして、このSONICable、D+ D-をショートしてるだけの代物? と思い、分解してみることにした。
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ビンゴ! コタツスイッチの中にはスイッチとR6と書かれた抵抗しか入ってない。がーん。凄く時間を無駄にした。これで$27も取るのかよ。
大概のAC/USB専用充電器は中で D+ D-がショートされており、これを端末が検知して急速に充電する。ショートされてないと低電力充電器と判断して半分ぐらいのスピードで充電する。

 

つまりSONICableは、これまでもあった

急速充電USB下駄急速充電ケーブルと同じ類のもの

▼こういうやつ(良心的価格)

 

を、いかにも革新的な製品であるかのように祭り上げ、
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ボッタクリ価格
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をつけたもの。

 こんなくだらないものを何時間もテストしてたのか。

パトラッシュ、、ぼくもう疲れたよ。

 

SONICableのコメントページ見たら、すでに大炎上してた。主な炎上理由は

  • Lightningコネクタがポロッと取れた
  • 普通のケーブルと効率かわんね
  • 充電できねえ
  • すぐ壊れた
  • いつまで待ってもケーブル来ない
  • クレーム入れても返事こねえ

世界のご同輩、ご愁傷様っす。

 

これ、やっぱアカンやつや。

 

【まとめ】
人柱乙。クラウドファンディングでスカを掴まされたのは、忌まわしきRing以来かな。
Kickstarter、INDIEGOGOなどのクラウドファンディングでの資金公募には、Pebble Timeのように素晴らしい商品ばかりではなく、インチキ商品も多いことを忘れてはならぬ。
$33もドブに捨てた上に、度重なるテストで手間と労力を消費。もーいや。

※もうこのエントリは二度と更新しません。

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