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【iPhone】 Google Voice + GV Mobile (JB App)の登録、利用 【まとめ】

2011年8月4日追記:

LifeHackerやGadget通信で『Google Voiceが日本も対応』のような下記の記事が出ており、当エントリへのアクセスがあがっているようだ。


お、ついにGoogle Voiceが日本にもキターと思って、喜び勇んで調べて使ってみたところ、その事実はなく、該当記事にGoogle Voiceとあるものは、”Calling from Gmail”というGmailの機能であり、Google Voiceそのものでは無いことがわかった。Gmail Blogにも、『これはGoogle Voiceだ』とは書いてない。もちろん、Google純正iOS Google Voice Appも、web版 アプリも、GV Voiceも日本では発信できない。

Calling from Gmail now in 38 languages, with lower rates to over 150 destinations

『Gmailで発信ができる。また、GoogleVoice(の番号を持っていれば=つまりアメリカと一部の国(どこだっけ?)の番号を使って、Gmailで発着信ができる。』というようなことしか書いてない。

というわけで、iPhoneやAndroidのアプリを使った、電話機能とのフル統合を行う、Google Voiceは日本への対応は全くされてない orz



’09年11月16-20日渡米の際に利用した結果を反映して、更新・追記

AppleがGoogle Voice純正Appと、サードパーティ製 App、GV Mobile を、App Storeの審査でリジェクトした。

GV Mobileに関しては、既にApp Storeの承認済み、ダウン可能になっていたにも関わらず、取り下げられたらしい。
この騒動ににAT&Tが関与してるのではないかとか、FCCが調査に乗り出したり、ここのところGoogle Voiceは話題に事欠かない。

一方、GV Mobileは、App Storeから取り下げられてすぐに、CydiaでJailbreak Appとして、無料でリリースされた。このへんがアメリカ社会の面白いところ。いっそGoogleもCydiaでリリースしたらいいんじゃね?

結構苦労して、Google Voiceの登録と、GV Mobileを使って、国内で試用ができたのでまとめておく。

まとめるにあたり、Twitterでお知り合いになった@nishizawa 氏に、Google Voiceに関して、色々教えてもらった。感謝感謝。

※このエントリは、アメリカからの利用テストなどをして、今後もアップデートをする予定。
興味のある方はブックマーク推奨。


だいたいにして、Google Voiceって何よ?

と、疑問に思っている人が多いと思う。自分の場合は、使ってみるまで、SkypeなどのIP電話(VoIP)サービスと競合するものと思っていた。
まだ理解が間違っているかも知れないが、Google Voiceは、高度に洗練されたPBX (交換機) サービスを主体とし、既存の電話サービスに様々な付加機能を追加する。
別の言い方をすると、既存の電話網を取り込み、統合するサービスだ。統合される側からすれば、「Google Voiceに乗っ取られる」と考えてもおかしくない。現に、TechCrunchの記事

私がiPhoneをやめてGoogle Voiceの虜になった理由

では、使ってたiPhoneのAT&T回線を解約、Google Voiceに使っていた番号をナンバーポータビリティで移動、携帯はT-Mobile・Android携帯に変更している。普及するにつれ、Google Voiceは電話会社に取って恐ろしいサービスになる。

Google Voice自体は、IP電話クライアントを現状持っておらず、既存の有線・携帯電話、IP電話クライアントなど、各種電話端末から受発信をすることになる。GV Mobileを見る限りでは、Google Voice対応クライアントは、転送先の設定や、ボイスメッセージや各種ログを確認するブラウザーが、メインの機能になる。この点が、SkypeクライアントなどのVoIP端末と異なる。


敷居の高い日本からのアカウント登録と利用

各国の規制がからむ電話通信サービスなので、Goole Voiceは現状アメリカ(と一部の国?)だけに利用が限られており、アカウント登録などで、日本国内ドメインからのアクセスができない局面が発生する。

転送先は、アメリカ国内の電話番号のみになる。また、アカウント登録の最後に、実際にその番号へGoogle Voiceの登録システムが電話をかけ、指定された2桁のパスコードをプッシュ入力する必要がある。
設定後も、母艦のブラウザ上からのアクセスにプロキシが必要になる可能性がある。今回も、当初プロキシ経由でしかアクセスできなかった項目が、あとで気が付くとプロキシなしで使えるようになっていたり、このへんの規制は流動的なようだ。

登録が終わった後も、この辺りの理由から、国内での利用には制約が多すぎて、実用的ではない。正直、役に立つ利用方法がわからないw


Google Voiceアカウント登録をしてみた

Google Voiceは、現状招待制になっている。Google Voiceのinvititationページに、必要項目を入力し、Googleからの招待メールを待つ。自分の場合は1週間ぐらいかかった。

招待メールが来たら、リンク先のページから登録を行うのだが、転送先のアメリカの国内電話番号が必要になる。身近なところでは、Skype inのアメリカ国内の電話番号を持っている人は、それを登録すればおk。

自分の場合は、Skypeを日常的に利用していないので、あまりに高いSkype in番号登録料金 (3ヶ月で15ユーロ) にひるんだ(ケチ?)ので、別のサービスを使うことにした。
利用したのは、Jetnumbersという電話転送サービスで、取得した番号はskypeのユーザ名に対して、転送することができる。アメリカ国内番号が$4.95、しかも無期限(多分)で、番号を維持することができる。番号を購入してから、実際に認証されるまで、1日近くかかるので、急ぐ人は普通にskype in購入を推奨。

コメントでTakaさんから情報をいただいた。virtualphoneline.comというサイトでは、無料でアメリカの電話番号取得&Skypeへの接続ができたそうだ。
mitさんからの追加情報によると、24日間限定のフリートライアルらしい。でも、Google Voiceの設定だけして捨てる人なら、これでいいかも。

Skype + Jetnumersの電話番号で、アメリカ国内電話が着信できるようになったので、やっとGoogle Voiceの登録。
既に書いたように、現状アメリカ国内からのアクセスでないと、登録プロセスは実行できないようだ。(※規制が流動的なようなので、今後どのようになるかは不明)
自分の場合、アメリカ国内のプロキシをかませて、登録は実行できた。また、登録のプロセス中に、何個かの選択肢から、好きなアメリカの国内番号を取得することができる。Skypeのようにケチな事は言わず、取得したGoogle Voice電話番号は、期限切れもしないようだ。


▼登録の最後の難関は、アメリカの国内番号を指定して、かかって来た電話に、指定された2桁の番号をプッシュで入力。
Jetnumbersで取得した(858)225-1XXX→Skype IDにしておき、iPhoneでSkype Appを立ち上げて、WiFi経由で着信、無事登録が完了した。
gvregistfinal


実際にGoogle Voiceを使ってみる

▼取得したGoogle Voiceの番号(408) 692-XXXXに、国際電話でかけてみた。iPhoneは、転送されるSkype Appを起動し、WiFi接続で待機。(Skype Appは3Gでは音声通話に対応していない) 着信おk、音声通話も全く問題なし。
SkypeのユーザID経由なので、”jetnumbers02から着信中”と出るが、ここは本来かけてきた電話のCaller IDが出るはず。
IMG_0085


▼iPhoneからGoogle Voice経由で発信するには、GV Mobileのダイアラから、発信する。
日本国内からは、GV Mobileのダイヤラから発信することは不可能。

IMG_0087

アメリカで利用する場合、ダイヤル以降の発信のプロセスは以下のとおり

  1. GV Mobileのダイヤラが、自動的にGooglePBXの番号に電話、相手先の番号を転送、切断。
  2. Google Voice PBXからiPhoneに自動コールバックが行われる。呼び出し元番号は自分のGoogle Voice番号になっている。
  3. iPhoneで応答すると、その時点でGoogle PBXが相手先の呼び出しを開始する。
    この際、相手先には、Google Voiceの番号(408) 692-XXXXから発信されているように表示される。
  4. 通話相手が受話したら、普通に会話できる


発信には、契約している携帯キャリアの料金体系どおりの、音声通話料金と、着信料金がかかる。発信、着信とも無料の契約であれば、全米どこでも無料通話ができることになる。そういう契約であれば、Google Voice経由で利用することには、料金的なメリットはないが。

アメリカの電話番号を取得し、受発信を行うだけなら、SkypeなどのIP電話サービスでも、全く同じことができる。しかし、実際にアメリカで生活していれば、Google Voiceの番号から、固定電話、携帯電話、SkypeなどのIP電話、勤務先の電話、と自由に転送先を変更でき、さらに発信者番号ごとに、着信先を振り分けることまでできる。留守電・ボイスメールも、全てGoogle Voiceに統合できる。Skypeや他のVoIP系サービスとは異なるカテゴリの、全く新しい電話サービスだ。
頻繁に渡米する人にとっては、常に固定のアメリカ国内番号を取得できるのが大きなメリット。しかも、維持費がかからないので、一度もらった番号はずっと使うことができる。 GoPhoneなどのプリペイド携帯では、期限切れの度に番号が変わってしまうが、知人友人などには、Google Voiceの固定番号を知らせておいて、新しいプリペ番号を転送先に登録すれば、非常に便利に使える。

Google Voiceの紹介ページに載っているように、Google Voiceには、電話の付加サービスとして、山ほどの追加機能を提供する。そして、それらの機能をGoogle Voiceのホーム画面で、一元管理することができる。


▼Google Voiceのホーム画面。自分の番号あてにかかってきた電話、ボイスメッセージ、SMS、発着信履歴などを確認できる。

GV-main

全部の機能をテストできていないが、留守電を書き起こす(script)する機能には、ちょっと感動した。Google Voiceのシステムに留守電が入ると、Google Voiceサーバ側でそれを文字起こししてくれる。もちろん英語のみ対応だし、認識もいまいちっぽいが、文字になった留守電は、設定してあれば、メールやSMSでの通知で送られてくる。わざわざ留守電を取りにいって、しかもやかましい場所でそれを聞かないでもすむ。勧誘電話とかなら、聞く前にデリート。操作は、母艦でも、iPhoneでも、webにアクセスできれば何ででもできて便利だ。

▼留守電の音声から書き起こされたテキスト。実はこれ、私がiPhoneから国際電話でGoogle Voiceにかけて、録音したもの。
原文はGoogle Voiceの説明文。認識率は正直30%ぐらいかな。有線電話からなら、もうすこし認識率は高くなると思う。ま、私の発音の問題ももちろんあるわけだがw

dictation

GV Mobileは、このGoogle Voiceのホーム画面の主要な機能を、iPhone上で利用できる。

▼GV Mobileのボイスメール画面
よく見るとiPhone純正のVisual Voicemail画面のそっくりさんw

IMG_0089

▼着信履歴
IMG_0090

▼SMSの履歴。
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▼転送先、呼び出す電話番号などの設定。

IMG_0091


Appleにより、Google Voice対応AppはApp Storeから締め出されてしまっているわけだが、Googleは着々とMobile Safari上での対応に向かっている。


▼すでに、主要な機能はMobile Safariから、Google Voiceページにアクセスすれば利用できる。これなら、Jailbreakしていなくても、Google VoiceがiPhone上から一応使える。

IMG_0094

で、これ一体何の役に立つワケ?

正直、現状のGoogle Voice/ GV Mobileは、日本にいる限りは、あまり実用的な使い方はないと思う。
唯一使えるのは、ボイスメールを利用して、アメリカにいる人との連絡に使うぐらいだろうか。留守電のscriptingサービスも使えるので、現地の通販とかの連絡用にもいいかもしれない。かかってきた電話を、直接受けたければ、skypeを転送先にして、電話がかかってくるのを待っていればおk。留守電が入れば、自分で指定した機器にメールで連絡が来るから、聞き逃しも防げる。一度もらったGoogle Voice電話番号は、ずっと使えるようなので、アメリカに知り合いが多い人は、メインの連絡先にしてもよいかと。

役に立つのは、間違いなくアメリカに滞在している時になる。特に、プリペイドSIMでSIMロックフリーiPhoneなどを使う時には、Google Voiceは非常に有用なサービスになる。日本にいる間は、アメリカの留守電受信サービスでしかなかった、Google Voiceの番号に、転送先としてGoPhoneの番号を割り当てれば、Google Voiceがフル機能使えるようになる。アメリカ国内音声通話無料、格安なGoogleレートの国際電話、3者電話会議、などなど。(たぶん)しかも、プリペイド携帯の番号は、使わないと失効してしまうが、それももう気にしなくていい。友達にはGoogle Voiceの番号だけ知らせておき、毎回新しいGoPhone番号を転送先に指定しなおしておけばおk。

驚きの国際通話料金

先日渡米して、Google Voiceを実際に使ってみて、一番驚いたのが国際通話料金。日本の固定電話まで、たった3セント・分。携帯電話までは14セント・分。なにそれこわいクラスの安さである。実際に3分ほど通話してみたが、音声品質は良好、遅延もあまりない。Google Voiceアカウントには、無料で数ドルのクレジットがついて来るが、それで間に合ってしまったぐらいだ。


まとめ

  • 日本からのユーザ登録はかなりしんどい。理由がない人は、やらないほうが吉。
  • 日本国内では留守電サービスにしかならない。
  • アメリカ旅行・出張の際は、アンロックiPhone、GoPhoneとの併用で、かなり便利
  • 国際通話激安

これ全機能が使えると、まじで神電話サービスになり、AT&Tとか電話会社が震え上がる代物、というところまではわかった。
AppleがあせってApp Storeから排除したがるのも、無理もない。
でも、Google Voiceクライアントの主機能は、通話ではなく転送設定だや伝言の閲覧なので、ブラウザがあれば実現できてしまう。
現に、すでにGoogleはiPhone上のクライアントはwebに着々と実装を進めているし。

日本にもはやくこーい > Google Voice

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