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【レビュー】あなたの知らない高性能中華イヤフォン(安物)の世界 ー KZ ZS5

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知人『をぢさん、ダイナミックドライバ2基とバランスド・アーマチュア ドライバ 2基、合計4ドライバ搭載の格安中国製イヤフォンって興味あります?』

俺『中華製の、ハイエンド、安物、イヤフォン?』


俺『こいつは一体何を言っているんだ?』


俺『はっ!また俺を中華パチモンの罠に沈める気なのか?』

 

と、先日知人に聞いて初めて知った製品が、今回紹介するKS ZS5です。教えてもらうまでこの世界を全く知らなかったのですが、KZ (Knowledge Zenith) 社をはじめとするいくつかの中国ヘッドフォンメーカーが安いのに高性能なイヤフォンで台頭して来ていて、耳が肥えた高級オーディオマニアにまで非常に高い評価を受けているようです。

海外でもかなり高く評価されており、多くのレビューサイトで絶賛されています。

某中華サイトで日本までの送料込み2163円で注文し、2週間ほどで到着しました。ヘッドセット用のマイクとリモコン付きとリモコンなしのモデルがあります。私はマイク・リモコン付きのものにしました。

国内ではAmazonで販売されており、こちらはPrimeで即納です。

▼KS ZS5のパッケージ、品質はまあ1000円以下クラスのイヤフォン程度 

内容は左右のKS ZS5イヤフォン本体、ケーブルに簡易ユーザガイドと袋に入っているのはS/Lサイズのイヤーチップです。

このKS ZS5、イヤフォン本体に直接ケーブルが取り付けられていません。ケーブルを取り換えて音の変化を楽しむ『リケーブル』に対応したイヤフォンになっています。一部の高級イヤフォンでは定番の機能らしいですが、イージーリスニングなBose QC20(※本物)使いのような一般オーディオユーザーは、ついぞ知りませんでした。

 

KS ZS5本体。

写真で見ると、高そうなデザインですが、KS ZS5のエンクロージャはプラスチック製なので、現物を触ると高級感はありません。エンクロージャ接合部分の左右で異なる隙間もご注目ください。デザイン自体はサイバーな感じでカッコいいですが、キャンプファイア・オーディオという高級イヤフォンのデザインのパクr、いやインスパイヤされてるっぽいです。

 

▼ケーブルを差し込む、コネクタ部分

マザーボードについてるジャンパピンのようなコネクタで、見た目の安っぽさを加速しています。裏側はエンクロージャの隙間がさらに大きいですね。

 

▼イヤーチップを外した状態。

 

▼内部構造(画像出典: Amazon.co.jp)

この『雑な、安っぽい作り』のエンクロージャの中に、5万円超のハイエンドイヤフォンと同じように合計4つものドライバユニットが収められているわけで、ほんまかいなと疑ってしまいます。

2Xダイナミックドライバ、2Xバランスド・アーマチュア (2DD2BA) 、合計4つのドライバを詰め込んだ結果、エンクロージャ部分はやや大きくなっています。耳の形状によってはしっくり装着できない方もいるかもしれません。

 

▼LRを合わせて付属のケーブルを取り付けます。

私の入手した個体は結構コネクタ部分がきつく、ちょっと力を入れないとうまく入らない事があります。一方、なんだかスッと入ってしまうこともあります。強度はあまりないと思われるので、何回も抜去するような利用方法は、気を付けた方がいいと思います。ジャンパピンですから。

 

▼左右のケーブルを取り付けたところ。写真で一部だけ見ると凄くカッコいいですね。

このKS ZS5、一般的なイヤフォンとは装着方法が少し違います。『SHURE掛け』と呼ばれるSHURE社製ヘッドフォン推奨の方法で装着します。

 

▼SHURE掛けの方法(画像出典: SHURE)

SHURE社製のカナル型イヤフォンの多くは、この掛け方前提でケーブルの位置などが設計されています。また、耳回り部分のケーブルには折り曲げできるワイヤが入っていて、自分の耳の形状に合わせて曲げることにより、フィット感を向上させることができます。さらに、いったん耳周りにケーブルが触れるため、衣服などにケーブルが擦れて発生するタッチノイズを軽減する効果もあります。普通のイヤフォンでこれを真似して掛ける人もおり、『SHURE掛け』と通称されるに至ったようです。

KS ZS5はSHURE掛け前提のデザインになっており、普通の掛け方をするとうまくイヤフォンが’フィットしません。

 

▼装着しながら、このような形状に曲げてSHURE掛けして使います。

装着時は耳の深くまで差し込んでから、ワイヤ部分を耳回りに合わせて固定すると、遮音性も高くて低音も良くでる感じです。私はメガネを常用していますが、ワイヤ部分着用の際にメガネのつるが邪魔になったりはしていません。

 

さて、実際に視聴した結果ですが、

マジヤバイ

 

聴いたことがないような高解像度の音源が左右に広がります。この小さいエンクロージャの中で4個ものドライバが駆動しているので当たり前なんでしょうが、そのようなヘッドフォンを体験したことがない耳ではびっくりするばかりです。解像度からは程遠い比較的平坦なBoseサウンドに耳が慣れすぎてしまっているせいもあるかもしれません。音質のコストパフォーマンスに関しては、アマゾンの評価や、高級オーディオユーザーのブログでも絶賛されています。少なくとも1万円を下るサウンドではない、5万円台の一部のイヤフォンとも甲乙つけがたい、などとの評価も多く聞かれます。

視聴はiPhone 6とPixelで行いました。高級オーディオユーザーのみなさんはハイレゾオーディオ機器で楽しまれているようです。KS ZS5の性能はハイレゾでしか生かせないかも、とおっしゃっている方もいました。

この見てくれの悪い安物イヤフォンKS ZS5の性能、マジ凄いです。おっ・・・お~言ってる場合じゃないですw  (おっお~ 元ネタ) 

ただし、2点ほど注意すべき点があります。KS ZS5が音質とコストパフォーマンスが絶賛される一方、製造品質にはバラつきがあるようで、アマゾンの評価では初期不良で交換してもらった方が結構いるようです。英語でのトラブル対応交渉に自信がない方は、ちょっとお高いですがアマゾンで購入した方が安心かもしれません。

もう一点の注意点は標準付属のケーブルです。このケーブル、かなり固くて取り回しがよくないです。また、固いせいでケーブルが服などに擦れて、ガサガサとタッチノイズを拾いやすいです。

ここで、リケーブルの出番となります。

 

▼別売りの銀メッキアップグレードケーブル

この銀メッキアップグレードケーブル、アマゾンで1299円、Gearbestでは662円で販売されています。標準ケーブルと比べるとしなやかで取り回しも良く、見た目の高級感もあります。

 

▼アップグレードケーブルを取り付けたところ。ちょっと見た目がよくなりました。

で、音質の方ですが明らかに向上しました。しばらく聞き比べてみましたが、低音から高音まできっちり聞こえるアップグレードケーブルと比べると、標準ケーブルは高音部にフィルタが掛かったように聞こえます。

個人的にはデジタルケーブルの聞き比べはオカルトだと思っていますが、一方アナログ段はケーブルなどの伝送品質やアンプの性能に左右される事に同意します。このリケーブルはそんなアナログ聞き比べ遊びをするには楽しいギミックと思いました。

ところで、iPhoneからはアナログオーディオジャックが消え、Pixel2をはじめとする今後のAndroid機でも踏襲されると言われています。

そんな状況で、こんな有線ヘッドフォン使いにくいだろって?

大丈夫だ、問題ない。

つ 別売のBluetoothアダプターケーブル

Bluetooth アダプターケーブル外箱。

Bluetoothを『青歯』って書く人いますが、中国語だと『藍牙』なんですね。

 

▼アダプター本体に充電用ケーブル、簡易説明書

 

KS ZS5本体を取り付けた状態

リモコンにはマイクも内蔵されています。再生・停止ボタン長押しで電源オン。+-ボタンをダブルクリックで曲送り・戻し、長押しでボリューム大小になっています。びっくりしたのは、これまた安いのに動作に合わせて女性の声でpower on, power off, not connected, please chargingなどのほんのり中華風味英語アナウンスが入ります。マイクロUSB充電コネクタにフタがついていますが、2回ほど充電したら取れてしまいました。別に防水でもないし、たいした問題ではないです。

Bluetoothアダプタケーブル経由での音質ですが、悪くありません。標準ケーブルで有線で聞いているのとあまり変わらない気がします。

私はBluetoothイヤフォンはJaybirdのBlueBuds Xを未だに愛用しているのですが、音質を比較するにKS ZS5 +Bluetooth ケーブルの圧倒的勝利と思います。

 

【まとめ】

KS ZS5、高音質、高性能、高機能、楽しい、だが安い

安物高級中華イヤフォンの世界、恐るべし

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